《サービス化:"手段"からの脱却》
ジェットエンジンを「出力×稼働時間」で従量課金する、あるいは建設機械を測量、設計、自動運転とともにサービスとして提供するといった、これまでは「モノを売って儲ける」が常識だった製造業のビジネスにも、サービス化の流れが生まれている。また、「所有」することが当たり前だったコンピューターは、もはやクラウドサービスとして「使用」することが当たり前になろうとしています。
私たちは、これまで利用するためにはその手段である機械やコンピューターを所有しなければなりませんでした。しかし、さまざまな価値がサービスとして手に入れられる時代へと変わろうとしています。人々が求めているのは"結果"であり、その"手段"ではない。手段を所有しなくても、サービスとして求める価値が直接手に入るのであれば、そちらに人々の需要がシフトするのは自然の流れです。
《オープン化:"連携"による付加価値》
特定の企業が占有する技術や製品ではなく、広く多くの人が関与する技術や製品の方が進化のスピードは早く、安心・安全も担保される」そんな「オープン」という常識が広く受け入れつつある。例えば、スマートフォンのカメラ機能は、デジタルカメラの強力なライバルだと思われがちである。その理由として「手軽さ」を挙げる人は多いと思われるが、実はそれだけではないでしょう。
スマートフォンで撮影した写真はすぐにFacebookやLINEなどのソーシャルメディアに投稿し、みんなで共有して楽しむことができる。また、画像編集アプリを使って修正を加え、飾りやキャプションを付けることが簡単にできてしまう。そして、それをソーシャルメディアに投稿してみんなで「遊ぶ」ことができるのです。また、写真に写っている人物や背景、あるいはシーンを人工知能が分析し、テーマ別に分類して登録してくれるクラウド上のアルバムサービスも登場しています。
このように、スマートフォンのカメラ機能が、他のさまざまなサービスと簡単につながり、新たな付加価値を生みだすことができることに、さらに大きな魅力があるのです。 写真ばかりではありません。デジタルデータとITを駆使したさまざまな機能やサービスは、そんなオープンさを武器にしてお互いに連携し、単独ではなし得ない魅力や価値を増殖させているのである。
《ソーシャル化:情報の"民主化"》
インターネットの普及と共に、コミュニケーションコストが劇的に下がった。また、誰がスマートフォンを所有し、情報を直接手に入れることができるようになった。そして、誰もが仲介者に頼らなくても直接つながることができるようになったのです。その結果、情報の流通をコントロールすることで権力や富を維持してきた仲介者は、今やその役割を失いつつある。インターネットやソーシャルメディア、スマートフォンの普及は、そんな情報の民主化を加速させている。
《スマート化:変わる"人間の役割"》
それぞれの趣味嗜好に合わせ個別に対応していたら、手間がかかりコストもかかる。そのため、大量生産や標準化、全体最適化こそがあるべき姿だと言われ続けてきた。しかし、センサーと通信技術の普及により、「個別の事実」をきめ細かくリアルタイムに捉えることができるようになり、常識が変わろうとしている。収集された「個別の事実」は、人工知能によって分析され、それぞれの事実や意向を汲み取る。
そして、全体を考慮しつつも、可能な限り個別のニーズに対応しようとするだろう。さらに大量の「個別の事実」を分析し、新たな知見、未来予測、最適な判断を促し、私たちの住む現実社会をより快適にしてくれる。また、機械が人間の代わりを果たしてくれる範囲は、ますます広がっていく。肉体的にも知的にも、時間と労力をかけることで生み出してきた価値は、機械が代わりにやってくれる。その方が、遥かに効率的で正確で安全だからである。一方で、人間の役割は大きく変わって来るであろう。感性、協調性、創造性がこれまでにも増して重視されるようになり、人間は新たな進化のステージに立たされることになる。