これまで行った環境分析に基づいて、戦略を策定することになる。戦略には「事業戦略(個別の事業戦略)」と「コーポレート戦略(複数の事業を持つ企業の本社レベルの戦略)」がある。ここではまず、事業戦略を策定する際のステップを漏れなく考慮することにする。まず、「どんな事業をするのか」すなわち、事業(誰にどんな価値を提供するのか):「顧客」「提供価値」を定義しなければならない。
次に、この定義域に従って、「競合は誰か」を考える。つまり、事業を展開しようとしている市場にはどんな競合相手が存在し、その市場でどのように戦うかを明確にしなければ、ならない。ということは、競合相手を認識しただけでは、相手に勝つことはできないから、「競争の優位性:どのように戦って勝つか」」を構築しなければならない。つまり、ここでは参入障壁や模倣困難性(リソース)などが検討されることになる。
戦略を効果的に遂行するには、上記の参入障壁をいかに築くか、模倣困難な製品や販売方法などを構築するために、市場における自社の位置づけ(ポジショニング)、勝つための資源・能力をいかに構築するかなどを考えるのがここまで手順であるが、実際には順序だてて手際よく策定されるとは限らない。一般的には、これらの要素を有機的に関連づけて、戦略を作ることになるので、これらの要素を矛盾なく計画に落とし込むためには、行ったり来たりを何度も繰り返すことで戦略を磨き上げていくことになるものと思われる。
ここまでの行程で、戦略の大枠を網羅するように検討したことになるわけである。つまり、戦略策定の要件全体を漏れなく検討したということになる(要件をMECEに分解してモレ、ムダ、ムラのない戦略を考えてきた)。しかし、これで具体的に実践可能な戦略が完成したわけではない。ここからは、どういう視点で戦略のフェーズを捉えるかという、いわば、市場現場でどのように戦っていくかという視点で考慮しなければならない。
例えば、戦略のタイプの検討である。ここでは、低価格戦略で行くか、それとも価格破壊を避けて、ブルーオーシャン戦略のような新しいニーズに着目し、新しい価値を差別的優位性のある商品構成でもって、既存の競合企業と同じ戦略タイプとは一線を画す戦略をとるなどがそれである。また、自社の位置づけをどこにするかというバリューチェーン上の位置づけ(素材メーカー、卸・小売り・サービス)なども、特徴のある戦略を立てる上での大きな検討材料である。
さらには時間軸・視点の多さ(ステージ・視点)によって戦略を変えることも重要である。一般的に言って、時間軸が長いスパンで考えていることは、戦略を立てる場合には不可欠と思われるが、視点の多さも同じぐらい重要である。したがって、ここではこの両方の要素がバランスよくポジショニングされていることが良い戦略の要素ということになる。最後に、いわば戦略のパッケージであるビジネスモデル(儲けを作る仕組み)に仕上げていく。