もう一つの視点-メガトレンド

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 PEST分析は環境変化を多角的に捉える分析として、見逃しがちな視点を呼び起こしてくれる有難い分析である。そのためだろうか? この分析を一通り終えると、世の中の大きなトレンドすべて把握したと勘違いしてしまうことがある。例えば、長年にわたり一定の業績を上げてきた中小企業などに多く見られることだが、売上高がかなり減少しても、それは、景気の変化あるいは、単なる消費者の気まぐれと思い込み、経営戦略を変えようとしない企業を見かけることがある。これなどはまさに木を見て森を見ない典型である。

 おまけに、消費者が購買のチャネルを変更したことを裏切り者と断じてはばからない剛の者さえ存在する。しかし、こうしたタイプの経営者が特別怠慢というわけではなく、漠然と景色を見ていると少しずつ変わる風景の変化に気がつかないことは誰にでもある。つまり、目先のことはよく見えるが、その変化が遠くの変化とどのように関係しているかは、意識をして見ようとしなければ見えないというということではないだろうか。

 戦略立案が必要ということは、ある事象の変化に着目するのは当然であるが、それだけでは不十分である。その変化の背後にある原因を突き止めなければ、トレンドが見えてこない。もっとも、メガトレンドといえども、直線的に変化するわけではなく、かなりの振れ幅をもって変化するので、ミクロな変化がそのまま上昇(又は下降)するのかは見えづらいこともあるが、戦略を立案するという目的のためには、それを見極める姿勢が求められる。

過去から現在に至るトレンドを求めるのは、パソコンのエクセルを活用すればたりるが、どんなデータを活用するかが悩ましいところである。現在では公的機関の情報がかなり充実してきているし、民間の情報も活用できるが、そのままのデータを直接用いるのが困難な場合もあるかもしれない。その場合はある程度データを加工する必要に迫られるかもしれないが、そのことが返って過去の戦略の誤りを解き明かすヒントになることある。

着目すべきトレンドとしては、人工問題、地球温高化問題、貿易摩擦、戦争、核の廃絶、食料危機、地震・台風などの自然災害等々。他にもたくさんあるが、近未来に向けての自社の経営戦略を構築するにあたって示唆に富んだトレンド見つけ出すために、近視眼であってはならないことを肝に銘じて取り組まなければならない。今自社の経営が順風満帆であるにせよ、はたまた停滞気味であるにせよ、戦略は将来を見据えたものである以上、すぐに過去の意思決定になってしまうものだから、変化の予測は不可欠である。

経営者の言葉で、よく耳にするのは、「どうせ計画どおりにはいくわけが無いのだら、計画も戦略もいらない」と、いうのがある。しかし、計画がなければ、社員はどのように行動すればよいのか解らないので、目的達成に向かって協働する力が働かない。そこで社員はそれぞれ自分の裁量で思い思いの行動をとる。そこで生じるのが各部門間のコンフリクトである。これは全社的最適行動とは程遠いものにならさる、を得ない。