経営戦略策定のための環境分析は、通常、外部環境と内部環境に分けられて行われる。分析はMECEに行われることが原則であるが、あまりにのめり過ぎて、「分析のための分析」なってしまっては意味がない。分析はすべからく「何のための分析か」を常に頭の片隅に置いておくことが肝要である。つまり、戦略を構築するためには、自社の内部環境と・外部環境を正しく認識することが必要であるというところからスタートすべきである。
しかし、情報化社会といわれる現代、あらゆる情報が錯綜し、その中から必要な情報を選択するのは容易なことではない。そこで、まず外部環境と内部環境に分けて、最後にまた統合するという方法が推奨されている。そのうち、外部環境分析は、①PEST分析、②メガトレン③業界分析(5Forces分析、アドバンテージ・マトリックス)、④シナリオ・プランニング、内部環境は、コアコンピタンス、VRIO分析などである。
そして、最後にこれらの分結果を統合する形で①3C分析、②SWOT分析、③バリューチェーン分析が行われる。これが環境分析の一般的なフレームワークである。外部環境とは、自社の経営目的を達成するのに影響がある環境であり、一般的には自社ではコントロールが不可能と考えられる環境であることを前提にしたものであるから、場合によっては、現在の戦略や意思決定を改める必要に迫られるかもしれない。
例えば、現在自社が市場展開しているマーケットが技術革新や景気動向の変化で、十分な投資効果が得られない状況に変化しているとすれば、経営戦略を新たな成長分野に振り向ける戦略を構築する必要に迫られるということになる。このような場合、直ちに市場開拓に舵を切るという決定をすれば足りるというものではなく、現在市場で有利に戦える戦略を打ち出すことだってあり得る。この時必要なのは市場の変化をどのように読み込むかである。
一方、内部環境分析では、自社の技術力、規模・範囲の経済性、企業の成長性などの要素を考えるリソース・ベースド・ビューに基づいた内部環境と、主要な分析であるVRIO分析、バリューチェーン分析が行われる。これらの分析にはまた、それぞれのフレームがあり、これらの分析を経て、3C分析、SWOT分析、バリーチェーン分析をしたうえで統合することになる。これら個別の分析手法については、次回以降より詳しく触れていくこととする。
ただ、あまり分析手法にこだわり過ぎると、分析をする目的を見失ってしまうこともあるので、あくまでも、自社がすでに設定している経営理念に基づいたビジョンを達成するための経営戦略の妥当性を検証すると同時に、もしも、その戦略が市場から受け入れられなくなっているとしたら、どのように戦略を再構築するかを検討するための分析であることを忘れてはならない。環境分析のフレームワークは、モレ、ムラ、ムダを防ぐ手法である。
つまり、あるべき姿と現状のギャップを埋めるために、外部環境の変化を正しく理解し、自社の財務基盤や技術力、人材といった内部環境と照らし合わせて、より魅力的でかつ自社が競争優位に立てる戦略を選択する道筋を模索するという、環境分析の目的に沿ったフレームであるということであるから、自社の目指すゴールを決めて実行するアクションプランと整合するものでなければならない。