前回の12月25日をもって、長い間お付き合いいただきました「ゲーム理論」は一区切りとさせていただきます。ゲーム理論は経営戦略とは切っても切れない関係にあるため、このまま続けて経営戦略に繋げていくことも考えましたが、経営戦略に繋げていくには、経営戦略と矛盾しないことが大前提であると考えました。というのは、経営戦略の中で語られるゲーム理論は、直接競合する企業と戦い、勝利するための手法であるという切り口で論じられていることが多いと感じているからです。
そこで、今回は今更ではありますが、経営戦略を基本から学び直し、その上で戦略としてのゲーム理論の有用性を示すのがセオリーであるという考えで構想がまとまり、本日から、経営戦略をしっかりつかまえるために時間と手間をかけることにしました。時代が進化することで、経営戦略はマーケティング戦略と同義となりつつあり、多少影が薄くなってきている感じがします。
つまり、経営は何のためにするのかと言えば、売上を上げて利益を得るためであるという間違った定義がまかり通っているようです。そのため、売上を上げる手段を検討するのがマーケティングであるから、マーケティングこそが経営戦略の根幹に位置づけられるという論法が先行し、経営戦略の意味や機能をないがしろにしている傾向がみられる。しかし、経営戦略は企業が目指すビジョンを達成するためには不可欠なものです。
私のところへも、経営戦略という名のマーケティングの学習を勧めるメールが、仕切りなしに送られてきます。近年出版される書籍も、経営戦略という名を冠したものはめっぽう少なくなったような気がします。そんなわけで、企業経営の根幹に位置づけられてしかるべき経営戦略を筋道立てて学習していきながら、随所にゲーム理論の活用切り口を示していこで、経営戦略の重要性を再認識していただきたいと思います。
したがって、有名な戦略理論や分析手法は再登場することになりますが、決して現代の企業経営にも通用するものなので、自分の知識をより深いものにするため、見直してみることをお勧めします。学習を進めていくうちに、経営戦略の本質的機能が見えてくるはずです。実は私も、最近経営戦略を勉強し直してみたのですが、ここでいう戦略とは、直接の競争相手と戦って勝という単純な物ではなく、場合によっては孫子の兵法でいう、戦わずして勝人や競争相手とのアライアンスを構築することも戦略の内であると気づいた。
昔勉強を始めたときにも、知識としてはわかったつもりでいたが、深みにかけていたことを思い知らされた。以前に、地場の大手経営者に、「普段は商売敵であっても、結局は一番お世話になるのは同業者だよ!」と言われたことがありました。その言葉が今になって身に染みる思いです。それはたぶん、戦略とは戦うことだけではなく、競争相手との距離を適当に保つことで、良好なバランス市場内の棲み分けを図ったり、緩やかだがしっかりとした参入障壁を築き、異業態の低価格販売などをブロックする場合(戦略的互恵関係)などにも、戦略的思考が活かされることになるはずである。