囚人のジレンマ{1.協力を実現するには}

 

 囚人のジレンマを認識した当事者は、なんとかしてそこから脱出し、全体として両方にとって好ましい結果を生むように協力できる道を探すものである。一方、当事者以外の立場からは、ジレンマに挟まったままの状態でいてくれるほうが良い場合もある。例えば、囚人のジレンマによって売手が高価格を保持できないとき、買手は安い価格から恩恵を受ける。

こうしたケースでは、社会は、ジレンマかを解消されるような動きを妨害する方向に働く。 独占禁止法などはその一例である。囚人のジレンマを解消させるのであれ、維持するのであれ、どのようにすれば囚人のジレンマを解くことができるかを知っておくのは役に立つ。そうすれば、目的に応じて、望ましい囚人のジレンマの状態をつくり出すことも可能になるだろう。

 囚人ジレンマには共謀の合意を破ると得をするという問題がついてまわる。また、どのような罰が裏切りを防ぐのに効果的か、を探るのが中心的な課題となる。順番に、これらの課題を見ていくことにしよう。