マインドサイト・マトリックスの構造

 

 マインドサイト・マトリックスは、「すべての動機づけに共通する2つの基本的要素」を軸にまとめられている。この本の著者たちは、この2つの要素を導き出すために、「すべての動機づけは変化への願望である」という認識から出発し、次に、変化を望むときに考慮する2つの基本的な問いとは、「その変化の効果がどこに表れることを望んでいるか?」「どんな種類の変化を望むのか?」である。

 そして、この2つの問いには、それぞれ有力な答えが3つあることがわかったという。それがマインドサイト・マトリックスの縦3列、横3段の各項目を構成している。このマトリックスは動機づけマーケティングすべての土台をなしている。「列」は、動機づけについての最初の問、「その変化の効果がどこに表れることを望んでいるか?」に対する次の3つの主要な答えで構成されている。

 1) 内面の変化、つまり、"自分自身"をどう考え、どう感じるかについての変化を求める。

 2) 外の状況変化、つまり、自分の周囲で起こる物事、人生やライフスタイルに影響を与える物事の変化をもとめる。

3) 外の状況の変化、ただし、自分と関係のある人々や生き物の変化を求める。

 マトリックスの1列目には、内面の変化に向けられた動機づけが並ぶ。これを「内発的動機づけ」と呼んでいる。2列目には、周囲で起こる物事のうち無生物のものに向けられた動機づけが並ぶ。これを「道具的動機づけ」と呼ぶ。最後の3列目は、人や人間関係に向けられた動機で、これを「対人的動機づけ」呼ぶ。これがマトリックスの3縦軸である。

 一方、マトリックスの「行」は、「どんな種類の変化を望むのか?」という問いへの3つの答えで構成され、基本的には、その変化をいつ経験するのかによって区分している。1行目は、将来がどんなふうに見えるかを変化させる動機づけ。これは「期待」に重点を置く。2行目は今の瞬間の経験を変えようとする動機づけで、「経験」に重点を置く。最後の3行目は、人生の選択や行動の結果に満足しようとする動機づけで、過去に起った「結果」に重点を置く。

 以上の行と列で構成されたマインドサイト・マトリックスの9つのセルは、過去100年の心理学の論文から動機づけに関する主だった理論を抜き出してまとめたものだという。重要なのは、それぞれの動機づけに対して、ポジティブな感情の力(ある感情をもっと望む願望)と、ネガティブな感情の力(ある感情を少なくしたいと私たちを駆り立てる不満)の両方があるということである。