メッセージは中央に載せる

 自社のロゴを配置するのに最悪のスポットはどこだろう?また、たいていの広告主が印刷広告やテレビコマーシャル、ダイレクトメールでロゴを配置するのはどこか?これらの質問のこたえは実は同じなのだ。それは右下のコーナーだ。このスポットのことを、顔の表情解読のエキスパート、ダン・ヒルは「死のコーナー」と名づけている。ヒルのコメントは、スティーブ・アウティングとローラ・ルールによる興味深い視標追跡の結果を受けてのものだ。

 最近の記事で、ヒルは、「右下のコーナー人が最も注目しないスポットだ」と述べている。それどころか、ページをざっと読んでいる人は、そこまで辿り着くことすらないし、最初に読んだ内容にさえ反応していない。このような結果がでているにもかかわらず、どんな形態の広告においても、右下のコーナーにロゴやブランド商標を配置する人が圧倒的におおいのだという。

 視標追跡の研究結果で、ロゴや商標の配置場所として一番消費者に見てもらえるのはどこだったのだろう?ヒルによれば、ベストスポットは、ページの中央の下あたりだそうだ。その個所に来るまでに、閲覧者はすでに冒頭の部分を見終わり、内容に感情的に関わっていて、ブランドを問題解決や消費者の欲求充足に結びつけるのだという。

 また、ロゴや商標の配置場所を中央にするという研究結果については同じでも、余白が消費者の視線を引き寄せることを強調するという見解もある。手早く、簡単で、時間も技術も不要で、しかも効果のあることが研究で明らかになっているというのだ。それが、「白で囲んで隔離する手法」だ。この秘密も殆んど知られておらず、使われることも殆んどない。

 これを使うと広告へのレスポンスが高まることは古くから確かめられている。これを行うには、まず広告枠をたくさん買う。例えば、4分の1ページを2分の1ページに増やす。とはいえ、増えた部分をコピーや写真で埋めるのではなく、4分の1ページに収まっていた広告を真ん中に配置して、余白で広告を囲む。

 ポフェンバーガーとストロングは実験を重ね、白で囲んだ4分の1ページサイズの広告が、文と写真やイラストで十分肉づけされた2分の1ページサイズの広告より関心を引きやすいという結論を導きだした。白で囲むことで注目度がどれくらい上昇するか、ポフェンバーガーの実験では次のような結果がでた。標準的なレイアウトでは、2分の1ページ=100%、全面=141%なのに対し、余白をとるレイアウトは、2分の1ページ=176%であった。なお、余白スペースは広告そのもののスペースの60%以下にすべきであると、ストロングはアドバイスしている。「60%を超えると、注目度が上がっても、コストの上昇を補いきれないからだ。また、コストを考えると、余白を20%にするのが最も効果てきだ。