画像や動画をドンドン搭載する

 サーチエンジンの検索結果が10件の青いハイパーリンクで表示され、各リンクの下にテキストが表示され、広告もテキストリンクという形が何年も続いてきた。ここ2、3年は、検索結果ページに画像や動画なども表示ざれる、ユニバーサル検索結果が見られるようになった。これは、検索エンジン会社がニューロマーケティングの調査をした上で行ったことで、その影響はGoogleBingだけでなく、全てのウェブサイトに及んでいる。

 ワン・トゥ・ワン・インタラクティブ社のOTOinsights班は、ユーザーがSERP(訳注:検索エンジンの検索結果が表示されるページ)にどのように反応するかを研究し、検索結果の最適化(SEO)技術とニューロマーケティングを統合した。その研究は、ユニバーサル検索結果の効果を従来のテキストのみのSERPと比較したものだ。

 OTOinsightsは、視標追求やバイオメトリックス測定、アンケート調査などを用いて、ユーザーの反応を調べた。その結果、ユニバーサル検索の方が、一層ユーザーの注意を引き、しかも感情への働きかけが高いことも解った。画像や動画の検索結果は、検索結果のトップの方に表示されるため、ユーザーはページトップ付近を凝視するようになる。ユニバーサル検索の結果は、下の方に表示される検索結果や有料広告にはさほど目が向けられなかった。さらに、ユニバーサル検索の結果の方が、ユーザーの総合的な関心が高かった。

 この研究は、ウェブ開発者やウェブサイト管理者に2つの影響を及ぼした。1つ目は、検索者はテキスト以外のメディアに引きつけられるので、ブランド化・最適化された素材を作り上げることが、検索者を引き寄せるカギとなる。もはやキーワード検索でテキスト検索結果のトップ10に表示されるだけでは不十分なのである。

 その場合、自社ウェブサイトの素材を使ってもいいし、YouTubeなどの専門メディアサイトを使ってもいいが、自分のメッセージを強調し、目的に合わせて閲覧者を誘導するものでなくてはならない。できれば検索結果が、画像や動画だけでなく、テキストの検索結果としても表示されるのが理想だ。つまり、テキスト以外の媒体を追加・最適化が必要だ。

 2つ目の影響は、より一般的なことだ。動画や画像表示のある検索結果が人々を感情的に刺激するというのであれば、当然、ウェブサイトも、適切な素材を使えば人々が反応してくれるということになる。また、ユーザーの反応のほかにも、検索結果の表示面で有利になりそうだ。

 多くの検索エンジン最適化(SEO)の専門家たちは、テキスト以外の媒体を使うウェブサイトやページは、Googleのアルゴリズムによって、より上位に表示されると考える。ウェブ内の素材によって検索結果順位が上位になることと、ユニバーサル検索結果がよりユーザーを引きつけクリック数を稼げるというOTOinsightsの研究結果を考え合わせると、検索エンジン最適化の専門家も、マーケターも、検索結果の枠組みにとらわれない考え方をする時期に来ている。