大事な市場テスト

 発明家は、アイディアを生み出すことに全精力を傾けるあまり、製品が完成するとすぐに販売することに心が傾きがちである。しかし、消費者がその製品を本当に求めているかどうかを事前に確認するためは市場テストが必要である。これにはフォーカスグループインタビューやアンケートを活用して、購買層に製品についての意見を尋ねる方法がある。

 アンケートは近隣店舗のレジに提出してもらうようにしてもらうようにしたり、ソーシャルメディアを活用することもできる。また、近隣の商店やオンラインサイトで製品を販売してみるのもいい。その際、製品を数十個ないし数百個ぐらいは作っておく必要があるかも知れないが、いきなり市場に投入して失敗した場合を考えると最小のリスクである。

 また、関連分野で製品化に成功した経験のある起業家を探して、自分のアイディアについて意見を求めるのも有効である。そうすることで、自分のアイディアが解決できる問題やニーズ、要望についてあらかじめ把握できる。加えて、インターネットでその問題やニーズ、要望とはどの程度のものかを調べてみることや質問を投稿するなども検討に値する。

 自分の製品が解決できる問題を知ることができるということは、ターゲットを絞り込む際に大きな力となるので、自分のブログで問題を提起し、反応を見ることやオンライン広告を活用するのもいい。いずれにしてもインターネットの活用は不可欠ではあるが、販売形態が固まるまでは、あくまでも製品化のためのテストであることを忘れるべきではない。

 さらには、投資先のアイディアを探しているエンジェル投資家の意見を聞いてみるのも一案である。自分のアイディアに対して投資をしたいと思うかどうかを尋ねるのはちょっと勇気がいるかも知れないが、歯に衣着せぬコメントが得られる分、示唆に富んだ最高のフィードバックが期待できる。問題はどうしたらエンジェル投資家に巡り会えるかである。

 製品によっては起業とライセンス契約を結ぶ方法を模索するのも検討に値する。そうした企業を見つけ出し、ここでテスト販売をしてみる。この場合の相手企業とは機密契約を交わす必要があるうえ、同じカテゴリーの製品を販売している企業を選ぶべきである。何故かというと、その企業の製品ラインが厚くなり、フルライン化が促進されるからである。