ビジネスの十戒

 臆病者のための科学的起業法の著者:マイケル・マスターソンは、年商100億円以上の会社2社、50億円以上の会社2社、10億円以上の会社を10社以上保有し、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界で屈指の実績を誇るスーパー起業家である。そのスーパー起業家が、成功を生み出すために欠かせない条件として、次のような指摘している。

 1)熱心に働く。2)諦めずに時間をかける。3)集中力。4)マーケティングのノウハウ。5)障害に直面しても諦めない意思。どれもシンプルで、特別な素質や才能などは必要ないといっているようにも見える。しかし、どれもそう簡単ではなく、よほどの覚悟がなければ成功を手に入れることはできない、といっているようにも読めるから、不思議な感じもする。

 その言わんとするところは、起業は誰にでもできるが、誰にとってもそう簡単ではないということのようである。要するにこれらの条件は、成功するための十分条件ではなく、必要条件ではあるが、労を惜しまず、手順を踏めば、誰でも成功することは不可能ではないというというメッセージである。その体験から生まれたのが、次に掲げる十戒である。

  1. 顧客は、何があっても常に正しい。

  2. 果たせない約束はしないこと。

  3. 口頭での同意は、書面による同意と等しく重く受け止めること。

  4. 交渉では、自分だけでなく相手にとっても有利になるような取引を目指すこと。

  5. 相手に不利で、自分に有利な結果になったら、平等になるよう軌道修正すること。

  6. 従業員に対する給与は、仕事に見合った額、またはそれ以上を支払うこと。それが無理なら、可能な限り善処し、不足分はいずれ必ず埋め合わせると約束すること。

  7. たとえライバル企業であっても、誰とでもビジネスの知識を分かち合うこと。

  8. うわさ話に首を突っ込まないこと。話題の当事者に聞かれても差し支えない内容を口にすること(きっと当事者の耳に入るはずだから)。

  9. 可能だからという理由だけで取引業者の弱みに付け込まないこと。たとえ市場価格を上回ってでも、業者にはそれ相応の額を支払うべきである。

  10. 批判の輪に加わらないこと。訴訟問題はできる限り避けること。長期的に考えれば,だますより、だまされた方が好ましい。