ミーティングの活用

 目標を達成するためには、情報を共有しなければ始まらないので、ミーティングをもつことは大事である。日本の企業では、あまりにも会議が多すぎて仕事をする時間がないなどと批判されることも多いが、それは、会議の目的を事前に周知させることなどの準備が不十分で、かつ進行の仕方もおざなりになっていることが多いことにも原因がありそうだ。

 ミーティングに臨む際には、必ず事前に明確なプランをたて、個人的な具体的目標を盛り込むことである。そして、その具体的目標を達成するための手段やアイディアも準備しておくべきである。そのうえで、ミーティング出席者全員にとってプラスになるよう十分配慮することも必要である。つまり、自分の目標だけではミーティングは失敗してしまう。

 ミーティングを実りあるものにするためには、電話やメールなどで足りることかどうかを十分に検討する。ミーティングが必要であると判断したならば、その目的を明らかにし、目的達成の可能性についても熟慮しておくと同時に、タイムリミットを設け、それを守る。また、前述のように出席者全員がミーティングの目的を事前に認識できるように留意する。

 ミーティングでは、冒頭に目的を再確認する。ミーティングは、最低でも2部構成とし、第1部では課題や状況の説明を行い、それに対する意見を募る。第2部では、第1部で提案された疑問点や反論などについて議論し、リーダーは、出席者から意見を求められるような場面があれば、逆に、「その点に関して、あなたはどう思うか」と問い返すようにする。

 事前に所記役を決めておき、ミーティングで列挙された行動計画を、具体的な期日を含めて文書として残す。提案がなかった場合は、ミーティング終了後に計画案をまとめる。ただし、ミーティングの決定事項として作成する。計画案のほとんどは、ミーティングから生まれているというのが原則である。最後は前向きな雰囲気でミーティングを終了する。

 ここで強調したいのは、ミーティングの目的を共有せず、それぞれの持論を披露するだけ、という荒唐無稽なものになってしまうことは避けなければならない。ミーティングはフリートーキングとは異なり、問題を解決することを目的に開催されるものである。単に方向違いの意見を積み上げただけでは、ミーティングの目的に沿った結論には至らない。