ファネル(その2)

 次に、「インフルエンスファネル」とは、以前の「AIDMA」の考え方が主流であったが、インターネットの普及により「AISAS」という消費者行動モデルがでてきた。これによって、このパーチェスファネルで「購入」したらそれで終わりではなく、近年では、購入者がその先どんな行動をとるかも見据えて考えるという手法が主流となり日々進化している。

 イメージとしては、「購入」に至った少数の消費者が実際に商品を使用して、良かったと感じた後に、商品に対する口コミをSNSなどにより発信され、それが新たな消費者の目に触れることにより、「注目」されることになる。つまり、漏斗の一番狭い「購入」部分から下に向かって、再び「入口」が再び広がる感じである。それはちょうど砂時計の形である。

 つまり、その砂時計をひっくり返したような形になるので、その時は逆三角すいではなく、三角すいのような形状になる。そして、この「購買から共有」までの過程を「インフルエンスファネル」と呼んでおり、消費者が商品を一旦購入したのち、その商品を使用・消費した時の満足度などの情報が、他の消費者に大きな影響力を持つことを表している。

 最後に「ダブルファネル」とは、「パーチェスファネル」と「インフルエンスファネル」を繰り返すことで、徐々に狭い部分を広げていくという考え方である。この考え方を「ダブルファネル」と呼んでいる。これは購入に至ればそれで終わりというのでなく、その人がファンになりSNSなどの口コミで更に新しいファン層を作っていくという考え方である。

 ファネル分析から得られる効果は、きっちりと「ファネル」を分析することで、どのフェーズの消費者に対して施策を見直すべきなのか、重点的に施策を仕掛けるべきなのかが明確になる。また、フェーズごとの消費者の心理の移り変わりの要因についても併せて分析することで、"ペルソナ"を把握できるため、広告の配信時のターゲットが絞れ、効果的なプロモーションなどのより質の高い施策の実現につながる。

 ファネルを設計した後に、運用していく上で一番気になる「具体的にどのように分析すればよいのか」「分析した後のアクションはどうすべきか」「メール・ウェブサイト広告をどう活かせばいのか」「B2Cではどうなのか」「組織づくりはどうするべきか」といった、実際にマーケティングオートメーションの実現につなげるための具体的施策も見えてくる。