自社の商品・サービスに対して、消費者が「注目」してから「購入」に至るまでには、多くの離脱者がいるため、その離脱者を最小限に止めようという観点から考え出された概念である。実際、最初はたくさんの消費者が注目してくれたとしても、全てが購入するわけではない。どこかのタイミングで興味を失ってしまうというパターンが多いはずである。
このファネルは、3つの種類に分けられて説明されている。1)パーチェスファネル(「認知」から「購入」)、2)インフルエンスファネル(「共有」)、3)ダブルファネル(「認知」から「共有」)、である。このうち、「パーチェスファネル」の考え方は、消費者モデルの「AIDMA」と関連づけて考えることが多い。まず、「注目」「関心」「欲求」「記憶」「行動」に分解する。
ここまでは、AIDAモデル(AIDMAモデル)と同じであるが、AIDMAモデルは、消費者が商品に注目してから、購買行動に至るまでを購買プロセスとして示しているに過ぎないが、パーチェスファネルの考え方は、このプロセスを漏斗になぞらえ、入り口(注意)は大きく、最終の出口(購入:パーチェス)に向かうに従って減少するモデルと捉えた。
これに現状自社で行っているマーケティング施策によって獲得した消費者数をあてはめる。そして、最後の「行動」に至るまだの過程のどこで消費者が購入に至らず、離脱しているのかを分析したり、一番下の最も狭い部分である「購入」を広げるためにどうしたらよいか、施策の見直しを行う。例えば、「注意」か、それとも「欲求」か、などを見直す。
もしも、「注意」が弱いということになれば、最初の入り口が狭いということになるから、広告などで認知を高めることに力を入れることになる。また、「欲求」で離脱しているとなると、関心を欲求に高めるためのイメージ戦略や固有の付加価値の宣伝などを行って離脱者を最小限にする。このように消費者行動をフェーズに分類して漏斗を広げるという考え方である。