期待不一致モデル

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 期待不一致モデルは、Oliverによって提唱されたもので、顧客の製品・サービスに対する満足度がどのように形成されるか、その心理的プロセスを説明している。顧客の過去の購買経験や顧客の知識によって形成される期待水準。実際の消費体験を経て感じた製品パフォーマンスの知覚水準。そして、期待水準と知覚水準の一致度によって決定される購買後評価により、顧客の製品・サービスに対する満足度のプロセスを説明するモデルである。

 購買後の評価が期待以上のものであれば、顧客は満足し、その製品に対してポジティブな感情を抱くようになる。顧客が期待していた以上の製品パフォーマンスを提供することができれば、顧客の満足度がより一層高まり、ポジティブな感情を形成することになるので、再購買意識を高めたり、ブランドや製品へのロイヤリティを高めることが可能になる。

 購買後の評価が期待通りであれば、顧客にとって可もなく不可もないといった関心の薄い製品やブランドという評価が形成される。顧客の期待に応じるだけでは、満足や喜びを与えることはできない。再購買を検討する際、他社のブランドや製品を意識し始めることになる。顧客の満足を得るためには、顧客の期待を凌駕するパフォーマンスが必要となる。

 購買後の評価が期待を下回るものであれば、不満足となり、企業に対する怒りや失望といったネガティブな評価が形成される。その結果、製品の再購買意識は低下し、ブランドに対するイメージも悪化することになる。このモデルは、論理的で明快ではあるが、消費者は日々新しい刺激にさらされているので、形成された期待水準は決して一定ではない。

 例えば、業界における下位企業が、リーダー企業が抱えている膨大な企業資産や市場資産を負債化させる戦略を常に練っていることを予想しなければならない。特に、技術革新の激しい分野においては、例え品質水準は同等であっても、コストパフォーマンスにおいて優れている場合は、顧客の満足度は大きく影響を受け、形成された期待水準は崩れる。

 このように、消費者の選択肢があまりなかった時代には、こうした期待不一致モデルは比較的有効に機能したものと思われるが、同じ土俵上で体力勝負をする枠組みが崩れている現代においては、顧客満足度を測る尺度はより多次元なものになってきている。すなわち、顧客管理は顧客が顕在意識にない問題も視野に入れたものが求められるわけである。