購買意思決定プロセス

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 消費者が商品を買いたいというニーズを知覚してから、その目的を達成するために、情報を入手し、商品を比較することで、より望ましい商品・サービスを入手する過程を購買意思決定プロセス」という。このプロセスのモデルの代表格がAIDMAモデルである。この詳細については、マーケティング戦略(2011年4月20日)を参照いただきたい。

 ここで取り上げるのは、フィリップ・コトラーの「5段階の購買プロセスモデル」である。まず、第1段階は、問題認識(Problem Recognition)である。この段階では、消費者自身が不満、あこがれといった内部刺激もつことや、広告などの外部刺激によって、ニーズが引き起こされる。これによって、消費者はニーズを満たす商品・サービスに対して興味関心を抱くようになる。

 第2段階は、情報探索(Information Search)で、消費者がニーズを満たす方法や手段について情報収集をする段階である。情報感度が高まり、ニーズを満たすと思われる製品情報に敏感に反応する(例:テレビのCMや広告に注目する)。また、友人との話題にしたり、インターネットで情報を検索したり、店舗を訪問し製品情報を収集し製品を比較する。

 第3段階は、代替品の評価(Evaluation and Selection of Alternatives)である。この段階では、第2段階までで絞り込んだ、消費者ニーズを満たす製品群を、製品スペックやブランドイメージなどといった項目を比較し、製品を属性の束として捉え、ベネフィットを提供する機能として製品の順位づけを総合的に行う(例:ノートパソコンのスペックなど)。

 第4段階は、購買決定(Decision Implementation)である。この段階では、第3段階で購入製品の目星をつけてから、他人の評価による動機づけを行い、購入するかどうかを最終的に決定する。家族の賛成や既に購入している人の評価・評判などを手掛かりにする。近年は、CGMからも情報を収集できることから、比較検討の判断材料が拡大している。

 第5段階は、購買後の行動(Post-purchase Evaluation)である。消費者は購入する前に、商品に対して抱いていた期待に合致すれば満足するが、期待外れの場合は不満足となる。購買後の評価は、製品やブランドイメージに影響を与え、次回以降の購買行動の指標となる経験として蓄積される。また、消費者は商品購入後も、自らの判断が正しかったかどうかを検証する。

 場合によっては、認知的不協和を生じることもあり、購入した商品の良い点を探したり、他の競合品の欠点を探したりして、不協和逓減の行動をとることがある。このモデルは、自社製品がどの段階で購買候補から脱落しているのかを考察することで、強化すべき方策を示してくれるツールとして活用できる。例えば、第1段階で抜け落ちているのであれば、市場調査を強化し、消費者ニーズの把握やターゲットの選定を見直すなどである。