消費者が買い物をする動機

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  消費者が買い物をする動機は大きく分けて個人動機と社会的動機に分けられる。個人動機は1)役割演技(role playing)、2)気晴らし、3)自己満足、4)新しいトレンドを学ぶ、5)体を動かす、6)感覚刺激。社会的動機は1)家庭外での社会経験、2)同じ関心を持つ他人とのコミュニケーション、3)仲間との娯楽、4)ステータスと権威、5)バーゲンの楽しみ、である。

 また、動機はニーズと同じく、一時的動機と二次的動機に分けることができる。前者は喉の渇きや飲食、性欲、睡眠、苦痛回避などの生命維持のために必要不可欠な欲求である。後者は達成・親和・権力・依存・承認・支配・顕示などの後天的に学習された欲求を指す。

動機の分類は上記のものにとどまらず、他にも様々な切り口による分け方が存在している。

 動機は、獲得動機と回避動機の二つにも分けられるという説もある。前者は目的物を獲得すべく働く動機であり、後者はある対象から自分を護るように働く。前者の例としてはおいしいものを食べたいという目標に向う動機、後者の例としては、混雑を避ける行動が挙げられる。さらに、マクレランドは人間の基本的な動機として達成動機、権力動機、親和動機の三つを挙げている。

 達成動機は「成果が評されることで感じられる感情を経験したいというニーズ」のことである。こうした達成動機の強い人ほど熱心に働き努力する傾向があり、自分の可能性を自分で切り開こうとする気持ちが強い。達成動機の強さは個人が育てられた環境によっても異なるが、文化によってもその表れ方が異なる。達成動機には、社会的思考達成動機と個人志向達成動機の二種類に分けられる。

 前者は重要な他者の期待に応えようとすることが目標となる。後者では自分自身の目標のために努力することを目指す。こうした思考は文化によって異なり、個人主義の文化圏と集団主義の文化圏では達成を個人的なものと評価するか、家族のものとして評価するか異なり、その結果行動が異なる。 英国・アイルランドの母親は、子供の勉強の成果に対して個人的でない面的な成果と考えるためご褒美を与えないが、中国・ベトナムの母親は家族の成果と考えご褒美を与える傾向があるという。

 次の権力動機とは、他者や集団あるいは世界全体を操作あるいは影響を与えたいというニーズである。この権力動機の強い人は自己主張が強い傾向がある。アジア人のような相互依存的自己をもった人は自己主張が弱い傾向がある。こうした権力動機の強い人は自分の欲求を満たすために、プレステージのある商品を所有する。あるいは権力を表す象徴(高級車や腕時計など)をもつ傾向がある。

 そして、最後の親和動機は、人と一緒にいたい、仲よくしたいというニーズのことである。これはマズローの階層ニーズでいう所属機能にあたる。人は他人と一緒にいたいという願望を持ち、人と引き離されることは刑罰として用いられている。現代における消費者は他者からの分離や孤立(仲間外れによる疎外感)を経験することが多いといわれている。