また、ニーズは身体的で、ウオンツが心理的であるのに比較して、欲望はその両方である。そして、ニーズが必要性として、ウオンツが願いとして表現されるのに比較して、欲望は情熱として表現されるなどの違いがある。欲望は動機の社会的性質として表明されるともいえる。確かに、野望は欲望であるが、ニーズやウオンツという言葉では表現しない。
一方、希望という概念とも違う。希望は「目標にあった結果が可能と評価されるとき喚起される正の感情」と定義されている。希望はうれしい、興奮するというような正の感情であり、目標と合致した自分にとって望ましい結果が予期されるとき感じられるものである。例えば、ダイエットをして望む体形が実現できそうだと感じられるのが希望である。
希望はさらに3つに分けられる。それは、「希望する」「希望を抱く」「願をかける」である。「希望する」とは、目標通りの結果が可能だと強く望むことであり、「希望を抱く」とは、目標に合った結果が可能だという正の感情を楽しむことである。「願をかける」とは、目的に合致した結果が実現可能だという期待を持つこと(期待値を上げること)である。
この感情は、単に希望を抱くこととは少し違う。例えば、ガンに侵されたとしても、回復への願いをかけ、必ず治るという希望を持つ感情である。このように、希望には目標をかなえたいと望む感情、目標が達成できるという期待可能性を根拠にした感情、そして、特にそうなる根拠はないが、是非そうなってほしいという感情があることは確かである。
希望をもつことは、消費者の推論を動機づけることになり、認知の働きを促進する。その結果、商品の探索と評価にバイアスがかかり、より好意的な商品評価につながることが予想される。しかし、希望がどのように消費者行動に影響するかは殆んど解明されていないのが実情であり、過去の販売データなどから希望に沿えたかどうかを推測するしかない。