梅沢伸嘉氏の分類によると、ニーズは「○○な人生を送りたい」といった「Beニーズ(幸福追求ニーズ=基本ニーズ)」、Beニーズを満たす手段として発生する「△△をしたい」といった「Doニーズ(行為ニーズ=生活ニーズ)」、「××が欲しい」といったHaveニーズ(所有ニーズ=商品ニーズ)」で、マーケティングではHaveニーズ扱うとした。
そして、最初のBeニーズを、「豊かさニーズ」「尊敬ニーズ」「自己向上ニーズ」「愛情ニーズ」「健康ニーズ」「個性ニーズ」「楽しみニーズ」「感動ニーズ」「快適ニーズ」「交心ニーズ」という10種類に分類している。しかし、この分類では心の深層に隠れている個別のニーズが欠落しているなど、すべてのニーズを網羅しきれていないという印象がある。
その点、コトラー&ケラーの分類は、「表明されたニーズ(車が欲しい)」「真のニーズ(価格ではなくランニングコスの安い車が欲しい)」「表明されないニーズ(デーラーからよいサービスを期待している)」「喜びニーズ(デーラーにナビシステムを装着して欲しい)」「隠されたニーズ(友人から車がわかっていると思われたい)」の5つで至ってシンプルある。
また、ニーズはその意味によっていくつかに分けられる。一つは生物由来ニーズで、これは生命を維持するために必要とするニーズで、もう一つは、心理由来のニーズであり、ある文化に適応することにより生じるニーズである。別の分類では、実用的ニーズと快楽ニーズで、前者は実態的属性による客観的表現で、後者は主観的で経験的なニーズである。
さらには、生理的ニーズ(一次的欲求)と社会的ニーズ(二次的欲求)という分け方もある。前者は喉の渇きや食欲、性欲、睡眠、苦痛回避などの生命維持のために必要不可欠な欲求(生理的欲求)である。後者は達成、権力、依存、支配、顕示などの後天的に学習された欲求である。このように、何を軸にして分類すかによってニーズの捉え方が違ってくる。
ちなみに、ウオンツ(欲求)はニーズが特定の対象に向けられたものであり、ニーズを満たす。デマンド(要求)は購入能力に見合った特定の商品に向けられたウオンツのことである。例えば、「ある地点から移動したい」というのはニーズであるが、「車が欲しい」というのはウオンツであり、デマンドは「プリウスが欲しい」というような気持ちである。