その面接法としての深層面接法では、通常一人のサンプルに対して、精神分析や臨床心理学の専門家が、十分な時間をかけて面接し、詳細な事例を記録して、その内容を考察する。通常は、20ないし30名のサンプルを目標として、1対象者当たり1ないし2時間(時には3時間)に及ぶインタビューを行う。深層面接または精神分析面接と呼ばれている。
深層面接では、消費者の深層心理の核となる個人的無意識及び普遍的無意識を理解する上で重要な、過去の経験や、個人に特徴的な出来事、文化的背景など、被験者の想起に合わせて、詳細に調査することができる。また、深層心理の深さを表す深層度に関しても、面接の巧みな追及によって、被験者にとって重要な意味を持つ、一見合理的な行動を支えている情緒的要因を深く探ることができる。
さらに、より深層部分を抽出することが可能で、調査範囲に関しても調査目的によって、比較的広く調査することもできる。こうした理由から、深層面接は、マーケティング調査をする上で、適応範囲の広い調査技法だと考えられている。このように、深層面接は、普段自分では認識することができない深層部分を、知らぬ間に抽出し、個人の個性や態度を調べる手法で得られた消費者の行動や意思決定に影響を与える要因を、より深く掘り下げるための方法として、用いられるのが投影法である。
投影法は、被験者の曖昧で、多岐的な刺激を提示し、被験者を漠然とした状態において、被験者に対して比較的自由な反応を求め、その反応のなかに投影される被験者の欲求、不安、その他の人格的特徴を理解しようとするものであり、深層にある心的傾向や葛藤内容が反映されやすいことから、投影法は、マーケティングの分野でも、広く活用されてきた。
このように、投影法を用いることによって、興味、価値、態度、感情など、個人的な世界といったものが明らかにされる(Newman)。投影法では、被験者の内省に頼るのではなく、刺激課題に対する反応を介して間接的に被験者の心理的特徴を調べる方法がとられるため、検査者の意図を予想しながら回答するといった、回答に対する歪曲性が生じる可能性が質問法に比べ少ない。