投影法(その1:ロールシャッハ・テスト)

 投影法とは、文字どおり自分を自分以外の人・モノ・状況などに投影することによって、本当の自分をよりいっそう広く、深く表現する手助けをする手法である。このような投影法を用いることによって、以下の4つの障害を克服できるとされている。その障害とは、認知の障害、不合理性の障害、非許容性・自己負罪性の障害、礼儀正しさの障害である。

 1) 認知の障害:被験者が自分自身の態度や動機に気づくことができないという障害。2) 不合理性の障害:被験者が自分自身のことについて語るとき、自分なりに合理化して、合理的・合理的説明を使用する障害。3) 非許容性・自己負罪性の障害:被験者が普通のインタビューではなかなかものごとを認めたがらないか、自己に不利になることは言わないという障害。4) 礼儀正しさの障害:被験者がインタビュアーに礼儀正しく振る舞い、反対する態度を取り難いという障害である。

 マーケティングにおいてよく用いられてきた、ロールシャッハ・テストは、紙に落としたインクのしみがついた10枚のカードを順番に見せ、それが何に見えるかを被験者に答えさせることで、その意味を解釈する技法である。インクを落とした紙を2つ折りにし、それを広げて作成されたもので、ほぼ左右対称の図版を持つ簡単なカードが用いられている。

 被験者の反応の解釈には、臨床的な経験と直感が必要であり、解釈をできるだけ客観化するために、様々な判断基準が設けられてきた。ロールシャッハ・テストに関する研究は非常に多く発表されているが、人格測定研究の立場から、信頼性と妥当性に関して様々な批判があることも事実で、検査に対する熟練度、結果の解釈に対する熟練度が求められる。

 テストの結果は、点数に計量化されるものではなく、被験者の欲求構造、野心、忍耐力や態度などの人物的特徴を評価した報告書が作成される。つまり、この手法によって得られる結果を考慮すると、ロールシャッハ・テストは、特に人の心の内的かつ動的営みを捉えるのに適しているとされ、人のパーソナリティ像を理解するのに有効だと考えられる。

 このように、ロールシャッハ・テストは、消費者、個人の人間性を理解したい場合に適しているほか、他の投影法と同様に、被験者にとって、どのように反応するとどのように分析されるかがわかりにくいため、回答を意識的に操作する反応歪曲が起こりにくく、無意識な心理分析が可能であるなどの理由から、開発されて以来、今も広く用いられている。