組織が成り立つ根拠

 改めて考えてみるまでもなく、リーダーシップを発揮するには、公式・非公式をとはず共通の目的を持った集団がなければならない。伝統的には権力と支配という関係が成り立っているという制約条件が、リーダーの存在を必要としていることになる。そして、そこには正当性という権力と支配を根拠とするルールがメンバー同士によって認識されている。

 何の根拠もないのに、リーダーに従うということは、通常は考えられないから、そこには正当性が存在すると認識できる組織の支配関係があるはずである。マックス・ウェーバーによれば、合法的支配、伝統的支配、カリスマ的支配の3つ分けられるという。合法的支配といえば、現在でも規則や法律によって規定されている組織が思い浮かぶであろう。

 この組織は、しばしば官僚組織とも呼ばれ、規則を守ることで組織原則が順守され、場合によっては、杓子定規で融通性に乏しいという面もあるが、多くの人々が協働する組織の中においては必要な形態であり、組織管理の面からは多くのメリットがある。反面、「訓練された無能」、「認識ある無責任」といった弊害も多く指摘され、やや硬直的な面がある。

 伝統的支配は、長年にわたって培われてきた伝統に従うことによって成り立つ関係である。例えば、その地方で伝統的に行われてきた「祭の運営」や「相互扶助の仕組み」などがそれであり、ある種の規則がある場合もあるが、基本的には長年の習慣が基礎となり、リーダーシップもこれを前提にして発揮される不文律のような暗黙の制約により成り立つ。

 もう一つのカリスマ的支配とは、何らかの事情で崇拝される人物が登場し、人々がこれをリーダーとして仰ぎ、従うことに正当性を求める支配関係である。こうした関係は、一旦コーディネートされてしまうと、改めることは難しい面もあるが、その時の社会情勢や組織の危機的状況によっては、新しいカリスマに取って代わられるとこもしばしばある。

 この3つの支配関係の中では、変革型リーダーシップに近いのがカリスマ的支配である。しかし、現代社会における組織を前提にすれば、変革型リーダーは、あくまでもフォロワーをバックアップすることで、メンバーに自主的変革を促すものであるのに対して、カリスマ的支配では、権力を背景にした強制力によりリーダーシップを発揮する点で異なる。