成果の定着と持続的発展

  変革チームが奮闘することで得られた成果は、定着させるとともに、新しいアプローチを根づかせ持続的に発展させていかなければならない。ただし、成果を測定する指標とその評価水準を事前に示しておくことが前提である。それは、評価というものは立場の違いによる視座によって異なるものであるから、決して自画自賛による評価では不十分である。

 また、もう一つ注意すべきことは、成果が一定の評価が得られると、変革チームがその成果に慢心し、変革の推進力が急速に衰えてしまう虞がある。組織が疲弊し始めるのはこうしたパターンが実に多い。通常はパフォーマンスの発揮よりも、成果が遅れて実現する傾向があるので、推進力が多少低下し始めても、成果はしばしの間持続するからである。

 多くの企業がこの罠にはまり、過去の成功体験に引きずられて、経営革新を怠り、組織の活力を低下させてしまっている。経営環境は常に動いているが、かなり目を凝らさなければ、一旦成功した組織を変革しようという動機が生まれない。それどころか、かつて変革を推進したチームメンバーには、さらなる変革は不必要と映り、過去に固執してしまう。

 変革チームは、永久に組織をリードできるというものではない。過去の成功体験に胡坐をかき、次の世代のリーダーを育成する姿勢をなくしてしまえば、組織の活力は確実に衰退する。一度成功体験をしたリーダーたちは、「今の若い者には任せられない」と口にする人が多い。しかし、かく言う自分もかつては若い者であったことを忘れてしまっている。

 このようにして、守り型の経営体質が定着すると、当然業績も徐々に低下してくることになるので、いよいよ変革を迫られることになるが、売上は低迷しているため、資金繰りも悪化してくる。おまけに、変革にチャレンジする人材もとっくに退社してしまっている。そんな中で組織変革を志向したとしても、経営資源が乏しい現状では打ち手が限られる。

 すなわち、絶えざる革新を怠ったことが、組織変革の推進力を失う結果になり、気づいたときには、打つ手がなくなってしまっているというのが現状である。成果を次世代のリーダーに引き継ぐことで、組織の活性化を促すことが変革チームの役割であり、短期的なプロジェクトの成功はその通過点に過ぎないということを、深く認識しておくべきである。