組織変革に限らずものごとに挑戦する場合、トライ&エラーは日常茶飯事と考えなければならない。変革による改善成果は定着させなければならないが、不首尾に終わった施策もあるはずである。抵抗勢力からすれば、こうした失敗を格好の反論材料にする場合もあることは、あらかじめ想定しておかなければならない。しかし、それを恐れてはいけない。
新しいことにチャレンジするということは、現状に甘んじることの是非を熟慮したうえでの取り組みであるはずであるから、成功の確率は常に50%と考えるべきで、100%の成功が事前に予測できるようなものであれは、それは変革と呼ぶに相応しいものではない。変革チームは、各方面から注目されているというプレッシャーを感じていて当然である。
しかし、それを恐れていては変革を断行できないというジレンマの中で、勇気をもって取り組むには、リーダーのフォローが何よりも大切である。特に、トップがチームやメンバーの失敗をどのように受け止めているかが、変革推進の原動力に大きく関わってくる。挑戦することにより生じる失敗は、今後の仮説精度に大いにプラスになる可能性がある。
変革メンバーが強く動機づけられるのは、使命感はもとよりチャレンジしたことに対する評価である。失敗に対しては厳しい評価が待っていることは、誰でも認識しているが、チャレンジ精神を萎えさせてしまっては、組織変革は成し遂げられない。トライ&エラーは、組織変革には不可避のものであるということを共有できる土壌整備も不可欠である。
組織に属するフォロワーは、経験的に失敗することが今後の昇進に大きなダメージなることを熟知している。例えそれがどんなに革新的な挑戦であっても、失敗はマイナスの評価にならざるを得ないというのが社会の常識として定着している。そのためか、挑戦して失敗するリスクとるよりも、何もしないで失敗をしないことがベターであると信じている。
つまり、フォロワーは保身のために保険をかけているのであって、こうした態度を頭ごなしに避難しただけでは変革に対するチャレンジ精神は醸成されるはずがないから、説得や上司の命令だけでは、内発的な動機づけにはならないことをリーダーは熟知した上で、メンバーが自主的に組織変革に取り組むマインドを育てるのがリーダーシップなのである。