短期的な実績アピール

  組織変革には相当長い時間が必要である。通常の経営計画でも、期間計画でいうと、短期計画、中期計画、長期計画が策定され、夫々のスパンで達成度が測定される。組織変革も概ねこうしたプロセスで計画が策定・実施される。最終的には、ビジョンの達成度が測定され、組織変革が成し遂げられたかどうかが、トップによって総括されることになる。

 変革に携わるメンバーにしてみれば、変革がどの程度進捗しているのか、自分がどれだけ変革に貢献できたのかが把握できなければ不安を覚える。そこで必要になるのは、短期的に実績が見える形で示されることである。それには、数値で示されるものはもちろん、どのような状態になったら、当初の目標どおりに進んだと判断できるかの目安が欲しい。

 組織変革を断行するには、解決しなければならない課題が山積しているわけであるから、現状と目標のギャップを課題として捉えて、それを計画に盛り込めば、達成されたかどうかが誰にでも把握できることになるので、こうしたより具体的な課題をチェック項目として掲げることが有効である。そうすることで変革チームのモチベーションは維持される。

 こうしたことがメンバーの自信につながり、リーダーやチームの信頼関係にも好影響を及ぼすことになるほか、抵抗勢力に大きく変革の必要性をアピールできることになる。すなわち、完成するまでは全く成果が解らないというのは、そこに携わったメンバーだけではなく、その成り行きを興味深く見ている日和見グループの対応にも大きく影響してくる。

 百の論理を重ねるよりも、ビジュアルに結果を示すことの方が、はるかに価値がある。変革チームはまさにその役割を担っているものであり、いつまでも孤軍奮闘では折角の志も折れてしまう。メンバーが自信を持って実績を示すことで、変革チームの行動が全組織に波及すれば、組織変革に対する取り組みが加速され、本格的に組織態勢が整っていく。

 組織変革が必要であることは、誰もが薄々感じているが、あまりにも負荷が大きいので、どうしても消極的な姿勢になるというのは、あらゆる組織に見られる現象である。このことを熟知しているからこそ、中核となる推進チームを結成するわけであるから、あらゆる機会をとらえて粘り強く成果をアピールすることで、ゆらぎを払拭させることが望まれる。