マネジメントとリーダーシップ

 ドラッカーは、マネジメントについて次の7つの要件を挙げている。1)人間にかかわること。2)人と人の関係に関わるものであり、したがってそれぞれの国、それぞれの土地の文化と深く関わりをもつ。3)あらゆる組織がその構成員に対し、仕事について共通の価値観と目標をもつことを要求する。4)組織とその成員を成長させなければならない。5)組織は、異なる仕事をこなす異なる技能と組織をもつ人たちからなる。したがって、そこには、意思の疎通と個人の責任が確立していなければならない。6)成果の評価基準は、産出量や利益だけではない。マーケティング、イノベーション、生産性、人材育成、財務状況などのすべてが、組織の成果として、組織の存続に関わる問題として重要である。7)組織にとって、成果はつねに外部に存在する。

 これらのポイントを要約すると、マネジメントとは、「特定の目的を実現するために、そこに参加する様々な人々の価値観の共有を促し、各々の成果を統合する活動」といえる。そのマネジメントが果たす役割は、「組織に特有のミッションすなわち目的を果たすこと、組織に関わりのある人たちが生産的な仕事を通じて生き生きと働けるようにすること、自らの組織が社会に及ぼす影響を処理するとともに、社会の問題解決に貢献すること」である。そして、このマネジメントの役割を主に遂行するのがマネジャーの仕事である。

 すなわち、マネジャーが役割を遂行するために求められる能力が「リーダーシップ」ということになる。もちろん。リーダーシップについては明確な定義あるわけではないが、このような常識のもと、「リーダーシップはトップのものである」「リーダーシップはパーソナリティである」「リーダーシップは対人影響力である」という誤解が生じているようだ。

 しかし、考えるまでもなく、リーダーシップはトップに限ったことではなく、組織の構成員すべてが、「自分は今何をすべきかと思った」とき、周囲を巻き込み目的を達成するために協働する際には、大なり小なり必要なものであることは明らかである。だが、もともと、各個人にリーダーシップに相応しいパーソナリティというものがあるわけではない。

 また、リーダーシップは、組織の構成員に対して影響力を持つものであることは確かであるが、しかし、それは権力に基づく命令や指示によるものではなく、一種の共感がそこには存在しなければならない。つまり、組織の目的を達成するための使命感というようなものをまず、自分が持っていることが前提であり、それがリーターシップの源泉である。