改善策の決定

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 データを分析することにより、事前に立てた仮説が正しかったかどうかが検証されれば、おのずから改善策も絞り込めることになる。例えば、価格の割には品質が低いことが大きな原因で来店客・リピーターが減少しているため、売り上げが減っているというのであれば、商品の価格帯の見直し、あるいは、高付加価値商品の開発が具体的な改善策となる。

 すなわち、価格の割には品質が低いということは、価格に対して価値が低いということになるから、価値/価格が低いということである。したがって、この式の分子である商品の価値を高めるか、分母の価格を引き下げるかによりアプローチをすることになる。このどちらに重点をおくべきかについても、思い当たる現象を考慮して仮説を立て焦点を絞る。

 この段階では、まだ問題が解決したことにはならないので、実行に移して見なければならない。実施した結果を検証し仮説が正しかったかどうか精査してみることになるが、その検証自体も差異分析などのデータ分析が必要である。つまり、売り上げが回復したという結果が出たので、「仮説が正しかったことが証明された」と結論づけるのは早計である。

 景気の回復や何らかの事情による仮需が発生し、売り上げ増につながったという現象になっているとすれば、仮説が正しかったという結論を出すのは少し乱暴である。したがって、結果は結果として受け止めながらも、新たな仮説を立て、再度実施するというPDCAサイクルを回すことを怠ってはいけない。データ分析による仮説思考は常に必要である。

 PDCAサイクルを回すことの意義は、計画して実施した結果を検証し、新たな修正案を打ち出すことにあるので、このサイクルの回転を早めることで、仮説の精度がどんどん高もまってくることにある。もっと具体的に言えば、「やるべきこと」と「やってはいけないこと」が次第にはっきりしてくるし、必要な分析データも整備されていくことに繫がる。

 売上の伸びが鈍化したり、低下している企業に共通している特徴は、その原因を突き止めることを怠っていることである。そのため、経営方針が定まらないので、PDCAサイクルを回すことができない。したがって、有力な仮説を立てることもできないわけであるから、社内に蓄積されているデータもゴミの山と化してしまうという悪循環が生じている。