問題というのは、あるべき姿と現状のギャップであると、今まで折にふれ再三述べてきたが、総資本回転率が低いという現象の背後にも、上記のような2つの方向があることからわかるように、必ずしも、売り上げ低いことが問題の本質でないこともある。洗い出した原因の中で、状況をしっかり見据えていかなければ、現象と原因を取り違えてしまう。
売り上げが低いことの原因を追究する場合は、その原因として挙げた「値段が高い」「商品の品質が低い」「商品がコモディティ化している」などがその理由になるが、希少性が高かったり、高品質商品の場合は、「値段が高い」という評価は原因にはならないことになるわけであるから、業種や業態特性も念頭におきながら、原因を追究しなければならない。
また、「来店客が少ない」「リピート率が低い」などは、値段の割に商品やサービスの品質が低いことに原因がある場合もあるだろうし、店員に元気がないのかもしれない。このようにしてアプローチすることで、売り上げが低い原因は、商品自体に原因があるのか、それとも、品揃えの問題なのか、あるいは、店員のサービス力の問題か掘り下げていく。
こうして立てられた仮説を基に分析方法を決定する。例えば、価格の割に品質が低いことが原因で来店客・リピーターが減少しているという仮説が立てられたのであれば、商品ごとの売り上げ推移を時系列で分析することで仮説を検証できる。さらに、来店頻度や購入金額などでセグメントした顧客分析をすることで詳細に原因を把握することができる。
実際に設計した分析方法により、データ分析をしていくことで、洗い出した原因の仮説を検証していく。もしここで仮説が間違っていることが判明した場合、洗い出しに戻って新たな仮説を立て直す。これを繰り返すことで、真の原因にたどり着くことができれば、対策も見つかる。ここで注意したいのは、列挙した原因の相関関係を確かめることである。