高齢者向けのマーケティングは、どれほど似ているかに着目するよりも、加齢による肉体の変化、ライフステージの変化、家族のライフステージの変化、世代特有の嗜好性とその変化、時代性(流行・生活環境)の変化といった個人の違いに着目し、細分化した市場の集合体と捉えなければならない。つまり、年齢や世代で市場を規定するのは困難である。
ここに、「電通が行った中高年調査」を活用して因子分析を行い、5つの軸を抽出し6つのクラスターに分類したものがある。ここでは、まず、60代、70代男女の「消費・買い物意識」16項目について因子分析を行っている。その結果抽出されたのが、「こだわり」「買い物愛好」「トレンド思考」「備蓄思考」「安値優先」の5つの軸であったということである。
この因子分析をもとに、回答を「買い物コンサバシニア」「まとめ買いシニア」「安値シニア」「買い物面倒シニア」「買い物アクティブシニア」「無駄嫌いシニア」という6つのグループに分けられた。これを、平面にプロットしてポジションを示した。(プロットの位置は、対象とした2問反応の率の差を出し、それを偏差値化(全体の平均値50)している。
各クラスターの構成比をみると、「まとめ買いシニア」が全体の19.8%で最も多いく、これに次いで多いのは、「買い物アクティブシニア」:19.6%である。以下、「買い物面倒シニア」:16.6%、「買い物コンサバシニア」:15.3%、「安値優先シニア」:14.4%、「無駄遣いシニア」:14.4%となっており、各シニア層のプロフィールはおぼろげながら掴めそうである。
また、位置関係では、「まとめ買いシニア」と「買い物面倒シニア」、「無駄遣いシニア」と「安値優先シニア」が近いポジションにあることから、「流行」と「価格」、「まとめ買い」と「買い物は毎日」は対極にあることも把握できる。以下のでは、これらの特徴をより詳細に分析することで、市場細分化の切り口を探り、各グループの具体像に迫ってみたい。