オープンインベーションとは、ヘンリー・チェスブロー教授によって提唱された考え方で、「外部の開発力やアイディアを組み合わせることで、自社の課題を解決し、これまでにない革新的な価値を創り出すこと」意味している。そして、この最大のメリットは、これまで自社単独で進めていた研究開発上の課題を迅速かつ効率的に解決できることにある。
顧客の要望が高度でかつ多様化している近年、市場競争はますます激化し、研究開発部門に対する要求も高まっている。しかし、一方では研究開発部門に許される開発期間は年々短縮されㇽ傾向にある。すなわち、良質で競争力のある製品が要求される一方で、限定されたリソースの下、迅速な研究開発による成果が求められるというギャップが生じている。
こうしたトレードオフの関係を改善するためには、外部の知見や技術力を活用しなければならいという発想が生まれたわけである。これまでもそうした試みはあったが、サプライヤーやグループ会社、あるいは関係のある大学に相談して共同開発をするという、極めて限定的なものであったため、必ずしも十分な成果を得ることができない状況下にあった。
2006年に設立された、研究開発仲介事業を展開するナインシグマ・ジャパンでは、企業の社外技術を支援している。具体的には、世界最大級の研究機関・大学・中小ベンチャー企業の技術者と独自のネットワークを通じて、顧客が単独では集められない技術情報や解決できない技術課題に対する解決策を見つけ出し、外部と橋渡しをする支援を行っている。
これが、いわゆる「技術導入型のオープン・イノベーション」であり、日本でもすでに500件以上のマッチングのプロジェクトを実施している。その他にも、オープン・イノベーションの効果的な活用方法を提案するコンサルティング業務、外部組織との提携交渉を支援する業務など顧客のオープン・イノベーションを包括的に支援する体制を構築している。
しかし、大手メーカーの最先端の研究開発テーマは、高度の秘密という性質のものであるから、オープン・イノベーションといっても、すべての面においてオープンにできるわけではない。したがって、特定の信頼できる事業者や研究機関に依頼しなければならない場合もあるはずで、この辺が同社の強みであり、戦略のコントロールを可能にしている。
(2014/6/18 アウトサイド・インとインサイド・アウト 参照)。