展開型ゲームは、「先読み」することがポイントとなる。しかし、どのようにして「先読み」するかとなると、なかなか手ごわいように思われる。しかし、展開型ゲームにおける「先読み」には、システマテイックに答えを求める手順が存在する。その方法が、バックワードインダクション(back ward induction:後ろ向き帰納法)と呼ばれるものである。
この方法は、まず、ゲームの木の終点の1つ前の意思決定点を考え、そのプレイヤーの利得が一番高くなるような選択肢を選び、ゲームの木に書き入れる。次に、次に決定したプレイヤーの行動は変わらないこととし、その1つ前のプレイヤーがどのような選択をするかを考えて、ゲームの木に書き入れ、これを繰り返し、一番最初のプレイヤーまで遡る。
このようにして、一番最初に行動するプレイヤーの最適な選択が決まったときには、全ての点でどのプレイヤーにどのような選択が行われるかが書き入れられているはずである。これがゲームの解である。ただ、単純な2段階で表現されるゲームの場合は、このようバックワードインダクションによる手順を踏まなくても、解を求めることは難しくはない。
しかし、複雑なゲームの木の場合は、システム的な記述方法を用いた方が解を求めやすくなる。さらに、もっと複雑なゲームの木では、このようなバックワードインダクションでは、解きにくいこともある。その場合の対処法は、まず、すべての枝が繋がっている点(最後に行動するプレイヤー)に対して、そのプレイヤーの利得が高くなる行動を選ぶ。
次に、すべての枝が「終点かまたは選択が既に行われた点」に繋がっている点を選び、それ以降の選択は行われたものとして、そのプレイヤーの利得が高くなる行動を選ぶ。以下同様に「終点かまたは選択が既に行われた点」に全ての枝が繋がっている点を選び、それ以降の選択は行われたものとして、そのプレイヤーの利得が高くなる行動を選んでいく。
このようにして遡り、一番最初にプレイするプレイヤーの行動が決まれば終わりであるから、ここでゲームの解が求められることになる。こうした手順を経ることで、複雑なゲームの木でも解を求めることができる。バックワードインダクションは、帰納的に誘導して結論を導き出す方法を、逆からたどって前の意思決定を特定していく方法なのである。