コンピュータ支援システムによるビジネスモデルデザイン

 

 ビジネスモデルデザインチームの参加者が、大きなキャンバスにスケッチしたビジネスモデルのプロトタイプとアイディアをリーダーが集め、プロトタイプ開発の協業プログラムに入力する。海外で働く他のビジネスアナリストは、リソースと主要活動のコストの見積りや潜在的な収益も計算して入力する。するとこのソフトウェアは4つシナリオを出す。

 これをメンバーに伝え、各プロトタイプの潜在的なリスクと利点を議論する。このシナリオはまだ実現してはいないが、すぐに実現できるだろう。大型のポスターに印刷されたビジネスモデルキャンバスと大量のポスト・イットノートは、いまだに創造性を引き出すための最良のツールであるが、コンピュータの助けを借りてさらに拡張することができる。

 ビジネスモデルのプロトタイプをスプレッドシートへ入力するのは時間がかかり、一つでも変更すると、手作業での調整が必要となるが、コンピュータ支援システムを使えば、これが自動的に処理でき、素早くビジネスモデル全体のシミュレーションを行うことができる。さらには、作成、保存、操作、トラッキング、モデルの共有がずっと簡単に行える。

 このようなコンピュータによるサポートは、地理的に離れたチームとの共同作業には、必須であると思えるはずである。大陸間で共同して、飛行機をデザイン、シミュレートしたり、ソフトウェアを開発しているのに、ビジネスモデルではできないということはない筈である。新しいビジネスモデルの開発と管理に、コンピュータを活用する時期である。

 革新的なビジネスモデルを発明することは、確かに人間の創造性を必要としているが、コンピュータ支援システムは、より高度で複雑な方法でビジネスモデルを操作するのに、役立つ可能性がある。建築分野の例では、コンピュータの力を説明するのに役立つ。1980年代、CADシステムは手頃な価格となり、建築事務所へゆっくりと採用されてきた。

 CADにより、3次元モデルとプロトタイプの作成がずっと容易にかつ安価に行えるようになった。これにより、スピード、プロセスの統合、コラボレーションの改善、シミュレーションが可能になり、よりよいプランニングができるようになった。また、何度も描き直したり、青写真を共有したりという煩雑な手作業をなくすことができるようになった。