管理する(その1)

 

 成功している組織では、新しいビジネスモデルの創造や既存のモデルの再考は、1回限りでは終わらない継続的な活動である。この管理のフェーズでは、外部要因によって長期的にどのような影響を受けるのかを理解するために、継続的にビジネスモデルを評価し、環境を調査している。すなわち、ビジネスモデルを市場の反応に合わせて調整している。

 組織政略チームメンバーのうちの少なくとも1人は、ビジネスモデルの長期的な進化についての責任を負うべきである。ビジネスモデルを評価するため、クロスファンクショナルチームとの定期的ワークショップの開催を検討すべきである。こうしたワークショップを開催できれば、ビジネスモデルについての調整や見直しを判断するのに役立てられる。

 ビジネスモデルの改善について、トップマネジメントだけが夢中になるのではなく、社員が常に頭を悩ましていることが理想の姿である。新しいビジネスモデルのアイディアは、しばしば組織の思ってもみない場所から生まれるからである。そうしたことが起こるのは、単なる偶然ではなく、企業全体のビジネスモデルの連携を社員が意識しているからである。

 市場の進化に対して、積極的に対応することも重要性を増してきている。ビジネスモデルの「ポートフォリオ」を管理することも意識する必要がある。成功したビジネスモデルの寿命が急速に短くなってきている現在、継続的なビジネスモデル創造の中でのみ存在し得るといっても過言ではない。つまり、絶えざる革新が求められているということである。

 伝統的な製品ライフスタイル管理と同様、未来の市場の成長モデルと、現在、利益を生み出しているビジネスモデルをどう置きかえるか、考える必要がある。長期的な視点にたって、市場の進化を先取りする形で他のモデル間のシナジーと競合を管理することで、ビジネスモデルを如何に統治するのかが、この管理フェーズの最大の課題であるといえる。

 デルは、受注生産の形態やオンラインのダイレクト販売を導入することで、PC業界に波乱を起こして、その成功によるモデルは、長年にわたり業界をリードして成長してきた。しかし、その破壊的なビジネスモデルを再考することに失敗した。今では業界の状況は変わってしまい、PC市場で立ち往生するリスクを抱え、成長機会から外れてしまった。