実行する

 

 最終的なビジネスデルデザインが完成してプロタイプが完成したら、今度は実行のフェーズ移ることになる。ここでは関連プロジェクトの定義、マイルストーンの指定、法制度の整備、詳細な予算やロードマップの準備などが含まれる。実施段階では多くの場合、ビジネスプランの中に概要を示し、プロジェクトマネジメントの文書に項目別に説明される。

 特に注意が必要なのは、不確実性をどのように管理するかである。そのためには、リスクと報酬の期待値が、実際の結果と比較してどのように推移したか、詳しく計測することである。これはまた、市場からのフィードバックにあわせて、迅速にビジネスモデルを適応させる開発メカニズムでもある。例えば、Skypeが成功をおさめたのはその好例である。

 同社では、毎日数万もの新規ユーザーがサインアップされ始めたとき、すぐにユーザーからのフィードバックや苦情をコスト効率のよい方法で処理するための仕組みを開発しなければならなかった。そうしなければ、コストは跳ね上がり、ユーザーの不満に足をすくわれることになったはずであるが、通信キャリアとは異なるコスト構造がこれを防いだ。

 また、積極的に「障害物」を管理するには、リソースの結集、理解、デザインの段階で、組織全体から参加してもらうことである。こうした参加型アプローチをとることによって、プランを実行する前に障害となるものを発見することができる。この組織横断的な参加によって、実行のロードマップを描く前に、モデルのあらゆる懸念に対処することができる。

 成功の第一の要素は、プロジェクトのスポンサーの持続的かつ目に見える形の支援であり、ビジネスモデルデザインの取り組みについての重要性と正当性を表明することにある。この2つの要素は双方ともに、既得権益の側から、新しいビジネスモデルの足を引っ張らせないためにも不可欠である。つまり、事前に十分なコンセンサスを得ておくことである。

 第3の要素は、新しいビジネスモデルに適した組織構造(独立か事業部)を作ることである。そして、最後の要素として、新しいビジネスモデルを伝える社内キャンペーンを実施する。これは、複数のチャネルを使って、ビジュアルに訴え、組織の「新しいものへの恐怖」へ反論することで、新しいビジネスモデルの論理的根拠を理解させるのに役立つ。