大胆なアイディアは、既存組織にとって、必ずしも歓迎されるとは限らず、むしろ排除しようとする圧力が働く傾向が強い。アイディアの大胆さを守りながら、同時に実行する際に直面する障害をどのようにして回避するかが課題である。この課題を解決するための抜本的対処策はないかもしれないが、既存企業の視点から取り組むことも必要である。
この微妙なバランスを達成するためには、各モデルのリスクとリターンの内容を描いてみることである。そこには、利益と損失についてどんな可能性があるのか、既存のビジネスユニットと競合する可能性があるのか、ブランドにどのような影響を与える可能性はあるのか、既存の顧客はどう反応するだろうか、といった疑問に答えることが求められる。
このアプローチでは、各モデルに存在する不確実性を明確にし、対処することができる。モデルが大胆なものになればなるほど、不確実性のレベルはより高まることになる。関連する不確定要素(価格メカニズム、販売チャネル)を明確に定義できれば、そのモデルがどのように振る舞うか予測するため、プロトタイプを作り、市場テストすることができる。
大胆な発想が選ばれ、実行されるためのもう一つの方法は、デザインチームをオープンなものにすることである。様々な事業部、異なるレベルの組織階層の人、異なる専門分野の人々と一緒にチームを作ることである。参加型のデザインは、組織全体からのコメントや懸念を統合することで、デザインは実行に伴う障害をあらかじめ回避することができる。
大きなデザイン上の課題は、新旧のビジネスモデルを分離すべきか、一つに統合すべきか、という新旧の対立である。正しい選択をすることは、成功するかどうかに大きく影響する。避けなければならないことは、短期的な視点によって、初年度に大きな収益を期待できるアイディアに注目してしまうことがあげられる。いわゆる短期的視点の回避である。
画期的なビジネスモデルで、初年度からそれほどの収益を得ることはほとんどない。そのため、新しいビジネスモデルを模索するときには、より長期的な視点が必要になる。そうでなければ、将来の成長機会を逃してしまう可能性がある。このことは、Googleが初年度に獲得した収益がどのぐらいだったかを考えてみれば、だれでも納得できるはずである。