Car2goモデルは、ドイツの自動車メーカーであるダイムラーによって作られた新しい形の交通コンセプトである。Car2goは、高級車からトラック、バスに至るまで製造、販売、リースをする親会社のコアモデルを補完する、ビジネスモデルイノベーションである。ダイムラーは、200万台以上の自動車販売を通じ1360億ドルを超える売上高生み出している。
その一方で、Car2goでは、smart(ダイムラーで最小、最低価格の自動車ブランド)を市全体に配置し、必要に応じて都市生活者へ移動手段を提供するというスタートアップビジネスである。現在、ダイムラーの主要営業拠点の一つであるドイツの都市ウルムで、サービスの試運転が開始されている。この試みは、壮大な社会実験として注目を集めている。
新しいビジネスアイディアを開発し、実施を支援するダイムラーのビジネスインベーション部によって、このビジネスモデルは開発された。Car2goの使い方は、2人乗りのsmartの車両を、顧客がいつでもアクセス可能になるように、市内全域に配置する。一度登録を済ませれば、顧客はその場で(またはあらかじめ予約して)好きなだけ使うことができる。
そして、ドライブが済んだら、ドライバーは市内のどこかの駐車場に止めるだけでいいというものである。レンタル費用は、1分あたり0.25ドル、1時間では14.15ドルで、一日最大70ドルとなる。顧客は1カ月分まとめて支払う。このコンセプトは、Zipcarなど、北米やイギリスで人気のカーシェアリングと似ているが、多くの工夫が凝らされている。
Car2goの特徴は、決められた駐車場を使う義務からも自由で、その場で好きなだけ利用できること、価格設定もシンプルであるという点にある。ダイムラーは、都市化に向けて加速する世界的なトレンドに対応してCar2goを立ち上げ、コアビジネスを補完するものとして、このサービスを見ているが、ダイムラーの伝統的なビジネスとは全く異なっている。
収益は、数年間は比較的小さいであろうが、長期的には大きな期待を抱いている。2008年10月に立ち上げたパイロットフェーズでは、50台の車を用意し、ウルムにあるダイムラー研究センターの従業員500人が利用できるようにした。この500人とその家族200人は、最初の顧客として参加した。この試みがその後の世界展開の第一歩となったわけである。