環境分析(マクロ経済学)

 ビジネスモデルを開発する目的は、顧客や市場の変化に対応あるいは先取りすることを目指すことにあるわけであるから、自社が属している市場ばかりではなく、マクロ経済の圧力を経済学の視点から分析し、未来に対する根拠ある予測を記述しておかなければならない。それは、市場の状況や資本市場、原料などのリソース、経済インフラなどにも及ぶ。
 まず、グローバル市場の状況についてであるが、世界の情報が寸時に把握できる社会においては、マクロ経済学の視点から現在の経済の状況を、GDPの成長率、失業率、所得の伸び率などについて、国内ばかりではなく、諸外国の状況(成長率、各種経済指標、不確実性)についても把握し、こうした状況を踏まえた市場の心理についても分析してみる。
 事業資金の調達という視点から、資本市場の状況を分析することにより判断し、多様な資金調達手段(融資、シードキャピタル、ベンチャーキャピタル、公的資金、株式・社債発行など)を、調達の容易さと資金コストの面から検討し、その概要を記述する。中小企業の場合は、特に資金調達の手段が限定的であるため、公的支援活用がポイントとなる。
 原材料その他のリソースの問題も、当然大きな課題となるため、価格動向やリソースの安定性、他のリソースへの転換の可能性、新たなリソースの開拓などにも検討対象となる。また、ビジネスモデルの実行に必要なリソースには、それを実行できる人材が必要であることから、人材獲得競争という側面も重要な課題であることにも十分留意すべきである。
 ビジネスモデルを実行するには、十分な経済インフラが整備されていることが前提となる。すなわち、市場における公共インフラは、どのくらい整備されているのか。輸送、貿易、教育の質、サプライヤーと顧客へのアクセスの容易さはどの程度か。税金はどの程度か。企業向けの公共サービスはどの程度充実しているのか。生活の質はどれくらいかなど。
 新しいビジネスモデルは、顧客が満たされていないと感じているニーズを顧客セグメントとする場合も多いと思われる。そのため、現在の市場に合わせて整備されている経済インフラは、ニューモデルにとっては活用しづらい面が予想される。したがって、既存のインフラを組み合わせて活用することで、インフラ整備の加速を促す取り組みも必要である。