未来の姿を完全に予測するのは不可能に近い。しかし、ドラッカーは「すでに始まっている未来」という言葉を残している。この言葉の意図するところは、現在の意思決定が将来の事象を決定づけているということを意味している。だとすれば、未来を予測する根拠は、過去と現在を結ぶ延長線に何らかの形で、表れるということにもなるかもしれない。
人間は、現実を受け入れながらも理想を追い求めて止まない生き物であるから、未来を予測するというよりは、理想の未来を作るために、今何をすべきか、という試行錯誤に基づいて、自分の身の処し方を決定し行動している。その意思決定と行動が未来に影響しないはずがないと考えても不思議ではない。すなわち、予測は決して空想ではないのである。
将来に向けてのビジネスモデルを開発する場合の重要なトレンドとして注目すべきは、技術革新である。ビジネスモデルの脅威となるか、あるいは進化、改善されるような技術トレンドを特定しなければならない。どの技術が重要な機会、または脅威になるのか、周辺にいる顧客は、起こりつつある技術のどれを選ぶだろうか。この見極めるが要である。
法改正や規制の状況もビジネスモデルに強い影響を与える。どの規制のトレンドが市場に影響するのか。どのルールがビジネスに影響するのか。どの規制や税金が顧客に影響するのか。これとは逆に、各種規制の緩和傾向も要チェックである。例えば、経済特区なども、ビジネスモデルに大きな影響をもたらす場合もあるので、見過ごしてはならない。
法的な規制とは別に、社会的、文化的トレンドもビジネスモデルに影響することは確かである。重要な社会的トレンドとしては、環境破壊や省エネルギーに対する顧客志向の変化、文化的価値へのシフトや交通遮断の多様化による購買行動の変化といったトレンドの変化は、ライフスタイルの変化ばかりではなく、価値観の変化にもつながる傾向もある。
こうした社会的、文化的なトレンドは、インフラの整備などにも影響を及ぼし、ビジネスモデルに関連するような現象が起こり得る。例えば、人口の都市への集中、可処分所得の消費性向の変化、消費パターン(自宅購入、ヘルスケア、娯楽など)、また、高齢化社会における国策の変化なども、ビジネスモデルに影響する大きなファクターとしてとらえる。
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