人を引き込む物語を聴衆に伝えるには、様々な方法が考えられるが、それぞれのテクニックには、メリット、デメリットがあり、状況や聴衆によっては、不向きなテクニックもある。対象とする聴衆が誰で、どんな文脈でプレゼンをするのかをよく理解したうえで、効果的なテクニックを選ばなければならないのだが、最近はワンパターンの傾向にある。
グループもしくはカンファレンスでのプレゼンの場合は、画像を用いて、主人公とその周辺で起きる物語を伝えるといった方法が効果的である。この場合は、聴衆が抱いている興味もかなり把握できていることも多いと思われるので、主要な場面を画像で示しながら、口頭で物語を語ることで十分聴衆の共感を得られるし、時間とコストも低いはずである。
これとは異なり、不特定多数の観衆への放送番組や、重要なファイナンスに関する事項について判断するための社内向けプレゼンでは、現実と虚構の境界線をあえてあいまいにするため、ビデオを使って、主人公とその周りで起こる物語を伝えるという方法が望ましい。しかし、こうしたビデオクリップによるプレゼンは、時間やコストもやや高めにつく。
ロールプレイングにより、ビジネスモデルのシナリオを現実的かつ具体的にするため、人々に物語の主人公の役割を演じてもらうという方法もある。この場合は、作ったばかりのビジネスモデルアイディアを、参加者がお互いにプレゼンするようなワークショップに適している。時間やコストも比較的低くいうえ、参加者はより深い臨場感が体験できる。
多くの観衆へのレポートや放送番組という場面では、その場での双方的コミュニケーションがとりにくいので、画像やテキストを使って、主人公とその周りで起きる物語を伝えるという方法がとられる。テキストを併用するのは、内容がやや複雑で繰り返して学習することで理解が深まるということを想定しているが、対象者が多い分コストは比較的低い。
漫画による方法も近年はよく採用されている。この方法も多くの観衆へのレポートや放送番組などでよく見かけるのは、年金や消費税などについて、主人公の物語を具体的に伝えるため、一連の漫画を用いる。この場合は、時間コストは必ずしも低いとは言えないかもしれないが、漫画という取りつき易さが、観衆を惹きつけるという効果が期待できる。
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