リソース

 ここでいうリソースとは、ビジネスモデルの実行に必要な経営資源のことである。顧客に対して企業が価値を提案し提供し続け、安定した収益を確保するためには、顧客との関係を良好に保つ必要がある。リソースはビジネスモデルによって異なるが、物理的なものだけではなく、ファイナンスや知的財産、人的なリソースなど様々なものが考えられる。
 物理的なリソースは、工場、ビル、車両、機械・設備、システム、販売システム、流通ネットワークなどが含まれる。ウォルマートのように強大な店舗ネットワークを持っているものやアマゾンのように高度なITや倉庫、流通インフラなどもある。このように、ビジネスモデルによってリソースの特徴は異なるが、最小限の物理的リソースは欠かせない。
 知的財産は、ブランド、特許や著作権などの知的所有権、パートナーシップ、顧客データベースなどであり、ビジネスモデルの要素として、近年はその重要性は増してきている。こうした知的財産は、構築するのは難しいが、一旦作り上げれば戦略コントロールが有利になるため、安定した収益につながることから、企業はその構築にしのぎを削っている。
 ナイキやソニーといった消費者向けの製品を提供している企業は、ブランドというリソースに依存している。一方、マイクロソフトやSAPは、長年かけて開発したソフトウェア関連の知的財産により、戦略をコントロールしている。そのほか、特許によって守られたライセンス料により収益を上げている企業など、その活用方法は実に多様なものがある。
 人的リソースは、知的所有権の獲得を目指す場合はもちろん、あらゆる分野で人材は求められている。製品開発や販売戦略、組織改革などは、ビジネスモデルを構築する際には必ず生じる問題であるだけに、発想力豊かな人材やリーダーシップを発揮できる人材は、組織を効果的かつ効率的に稼働させるためにも不可欠で、あらゆるリソースの要である。
 ファイナンスリソースは、ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源の一翼を担うもので、優秀な人材を確保しようとする場合でも威力を発揮する。しかし、ファイナンスリソースとは、単に現金や預金などの金融資産を直接保有していることだけではなく、資金調達力も含めたリソースであり、いわゆる懐の深さがビジネスモデル開発にも有利に働く。