価値を提案するためには、顧客セグメントとの関係をどのように構築するかをはっきりさせなければならない。そうはいっても、顧客との関係は任意に選択するという性質のものではなく、どんな目的を達成するために構築するのかといった動機があるはずである。その動機とは、顧客の獲得、顧客の維持、販売拡大(高価なものを販売する)などである。
顧客の獲得を目指すのであれば、携帯電がそうであったように、低価格あるいは無料で自社製品を普及させるという戦略がとられた。しかし、市場が飽和状態になると、顧客維持と安定した収益にフォーカスするようになった。こうした戦略の転換は、顧客との関係作りに関わるものであり、その動機により提案する価値も異なったものになるはずである。
顧客セグメントとの関係をどのように構築したいと期待しているのかを明確にするということは、顧客の側からしても自分が求めているソリュウションを解決してくれるという期待に応えてくるそうかどうかが関心事であるはずなので、戦略に相応しいメッセージを発することが必要であり、いくつかのカテゴリーに分けることやこれらの併用も考える。
カテゴリーとして考えられるのは、パーソナルアシスタンスである。これは人とのやり取りをベースにしたもので、販売プロセスやアフターサービスが完了するまで販売担当者のフォローが必要な製品やサービスによる価値の提案をメインとする場合である。さらに親密でかつ長期的な関係の構築が求められる専任のパーソナルアシスタンスの場合もある。
プライベートバンキングやパーソナルトレーナーなどがこれにあたるものと思われるが、これの対極にあるのが、セルフサービスである。これは、顧客と直接やりとりせず、標準化された解決手段を装備し、顧客が自分でできるように提供している。これをさらにグレードアップさせ、自動化機器を導入してサービスを自動で提供するという関係構築もある。
また、顧客同士のつながりを促進するために、ユーザーコミュニティを活用する企業も増えてきている。ユーザー同士がオンラインコミュニティによってお互いの知識を交換し、問題解決を図ることができる。コミュニティという概念を更に発展させ、顧客と企業とで良好な関係を築き、一緒に価値を共創するという動きは、今後も高まるものと予想される。
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