価値提案(その2)

 価値提案は、顧客のニーズを満たすことにあるわけであるから、ある場合はストレスソリューションがメインであることもある一方、特にストレスと感じていない場合でも、より快適であることに充実感を覚えるという価値もある。デザインやブランドなどは、使いやすさや快適さのような価格とはやや違った価値観で評価される要素が多く含まれている。
 このように、必ずしも経済的合理性を基準に価値提案がデザインされるものばかりではないが、一般的には、仕事を効率的にこなしたいとか、もう少し低価格で購買したいといった顧客ニーズに応えようとする場合、コストの削減、リスクの低減、アクセスのしやすさなどが付加価値となる。つまり、価値提案はあらゆる場面を想定してデザインされる。
 経済的合理性を追及している顧客にとっては、仕事をできるだけ早く終わらせたいという願望があるとすれば、今まで手作業で行っていたものを、重機を使ってスピーディにするという価値提案をする余地がないかを検討することになるであろうし、コストの削減のため、アプリの購入、インストール、メンティナンスをパッケージにした製品も魅力的だ。
 経済的合理性と対極にあるのが、デザインやブランドであり、提供される製品やサービスを消費・使用することによって得られることを期待する効用が、即座に判断できない医薬品、化粧品などは、特定の銘柄に固執するかどうは別としても、ブランドが一つの評価軸の役割を持つことがあし、衣料品などはデザイン性や流行も重視されるとい特徴がある。
 あらゆるものが製品化され、やがてそれがコモディティ化されてくると、供給サイドのシェア争いが熾烈になり、収益率が低下し始める。同時に技術革新も一巡してくると製品差別化は中核的機能面ではなく、快適さ、使いやすさ、コンパクトさ、収納しやすさ、携帯しやすさなどといった最小の差別化戦略でシェアの維持・拡大を目指すようになる。 
 これらの価値は、必ずしも金銭によって価値判断がされるものばかりではないが、価値を図る最大の評価軸が価格である以上、低価格戦略は、顧客セグメントのニーズを満たす一般的な方法であることは不変である。ブルーオーシャン戦略でも、バリューイノベーションとローコストをセットとして考えているのは、的を射た価値提案の形であるといえる。