価値提案(バリュープロポジション)とは、特定の顧客セグメントに向けて、価値を生み出す製品やサービスについて記述することが主題である。価値提案をするということは、顧客が抱えている問題を解決し、ニーズを満たすことであるから、顧客の立場からいえば、なぜその会社を選ぶのかという理由でもある。したがって、価値提案は、特定のセグメントが必要とする製品やサービスの組み合わせであり、提供するベネフィットの総体である。
それは、革新的な価値提案であることもあるし、新しく破壊的な提案をするものであることもある。また、既存製品に対して、追加的機能を加えただけであることもあり得る。価値提案は、顧客セグメントに、ニーズに対応する要素を組み合わせて価値を創造するわけであるから、その価値は、定量的なものから定性的なものまで幅広く含まれている。
定量的なものとは、価格やサービスのスピード、定性的なものとは、デザインや顧客の経験などであるが、実際に想像し提案する価値は、新奇性やパフォーマンス、カスタマイゼーション、メンティナンス、デザイン、ブランド、価格、コスト削減、リスク低減、アクセスのしやすさ、快適さ、使いやすさ、等々様々な角度からの価値提案が考えられる。
例えば、新奇性という観点からみると、そのサービスがなかったならば、顧客自身さえも気づいていなかった新しいサービスを満たすものもある。これは携帯電話のように技術に関連するものや、エシカルファンド(道徳や倫理に問題がある企業を避け、健全な社会に貢献する企業にのみ投資するファンド)など、新しい技術には関連のないものもある。
また、製品やサービスのパフォーマンスを上げることは、価値を生み出すための伝統的手法である。パソコン業界では、この手法によりパワフルなマシンを次々市場に投入し、性能の向上に貢献してきた。しかし、技術革新が一巡すると、スビード、保存容量、グラフィック性能といった要素では顧客の需要を喚起できなくなり、成長が止まりつつある。
個人や顧客セグメントが抱える特定のニーズに合わせて、製品やサービスをカスタマイズすることで価値を生み出す動きが加速している。近年は、カスタマイゼーションや顧客との共創はより重要になってきている。製品をカスタマイズできると同時に、メーカーは規模の経済性によるメリットも享受できるので、価値を生み出しやすい分野でもある。
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