ビジネスモデルの定義

 ビジネスモデルという言葉は実に多用されているし、これを説明する解説にもさまざまなものがあった。ごく大雑把にいってしまえば、ビジネスの形ということになるのかもしれないが、その中身はどういうことなのかといわれると、表現するのは結構難しい。「ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書」では、以下のように定義している。
 ビジネスモデルとは、「どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの」で、ビジネスモデルイノベーションの出発点は、ビジネスモデルについて共通理解するためのものと位置づけている。このようにシンプルで解りやすい定義にすることで、直観的に理解できるというのが、同じコンセプトでビジネスモデルを議論する狙いである。
 あまり単純化しすぎることにも問題があるかもしれないが、何について語っているのかがあいまいでは、議論そのものがかみ合うはずがないから、共通理解に立つために、「価値の創造」と「顧客」を結びつけることを中核に据えたものと思われるが、すでにこのコンセプトは、IBMやエクソン、デロイト、the public works、カナダ政府などで使われている。
 このように、世界中で多くの企業で使われているという事実は、このコンセプトを共通言語として使えば、ビジネスモデルを簡単に表現できるし、活用もできることになるため、新しく戦略を立案する場合にも活用できる。すなわち、イノベーションを起こすためにも、この定義をベースに仮説を設定し検証するというサイクルが回り始めるというわけである。
 このコンセプトは、顧客、価値提案、インフラ、資金という4つの領域をカバーする9つのブロックで構成されている。そして、このビジネスモデルは、組織構造、プロセス、システムと結びつき、革新計画の設計図として戦略に仕上げられていくことになるもので、特定の顧客に特定の価値を届けることを中心に、きめ細かく配慮されているが特徴である。
 中小企業などが誤解してしまいがちなのは、新しい価値とは「新製品のこと」であるということである。ここで定義しているコンセプトのように、「価値の創造」とは、これを受け入れる「顧客」を意識したものであるから、「誰のどういうニーズ」という視点がなければ、ビジネスモデルとして語ることはなじまない。この定義はそのことを明確にしている。