この本の章立て

 「ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書」は、5つの章に分かれている。1)ビジネスモデルのキャンバス:ビジネスモデルを記述、分析、デザインするツールについて書かれている。2)ビジネスモデルパターン:主要なビジネス思想家のコンセプトに基づいた、パターン(類似性)を通じて、ビジネスモデルのダイナミックスを理解する。
 3)デザイン:ビジネスモデルをデザインするのに役立つテクニックを扱っている。4)戦略(Strategy):ビジネスモデルというレンズを通して、戦略というものを改めて解釈する。5)プロセス:革新的なビジネスモデルをデザインし、コンセプト、テクニック、ツールを統合する包括的なプロセスを提案している。そして最後は、今後の展望を示している。
 以上のように本の章立ては至ってシンプルであるが、これまでのビジネスモデルに関する書籍が戦略中心のものであったのに対して、この本は、実際に経営革新に挑戦しようとしている企業や新規創業を目指すものにとって、思考のプロセスとそのフレームが理解しやすくアレンジされているため、身構えることなしに肩の力を抜いて取り組めるのがいい。
 特に、キムとモボルニュによって提唱されたブルーオーシャン戦略のコンセプトとこの本のビジネスモデルツールとの統合を可能にしているところがいい。戦略論中心の記述は、一般的に取り組みにくいこともあり、中小企業にとっては少しハードルが高いためか、ビジネスの芽を抱えていながら、一歩踏み出すタイミングをつかめないでいる場合も多い。
 本書の内容をなぞるだけでも、まだ構想に至らないアイディアが形になっていくことが体感できる。まして、経営革新の必要性を強く感じている経営者にとっては、これまでどうしてもつながらなかった、捉えどころのないビジネスモデルという概念をビジュアルに受け止めることができ、旧態依然としたビジネスモデルから脱皮するチャンスにもなる。
 われわれは、得体のしれない物事を理解しようとするとき、まず分析をして整理したのち、それを統合して全体像を把握しようとするが、これを応用して、実際のシステムにデザインするのはかなり難しいと感じている。しかし、この本は、分析、アイディア、戦略が確かに統合されており、心の中で探し続けていたものが全て見つけられる期待が膨らむ。