顧客が求めているソリューション

 顧客を選定して、その顧客が抱えている問題を解決するために、自社はどのような製品やサービスで貢献できるかを追及することが、ソリューション・モデルの基本的考え方である。このとき顧客を選定する基準や範囲をあらかじめ設定して、その枠内で選ぶことになるわけであるから、これまでの経験やノウハウを支持してくれそうな顧客が候補となる。
 すなわち、自分の強みとする技術やノウハウと、それを活用することによって解決できる問題を抱えていそうな顧客の組み合わせをあらかじめ念頭におきながら、ビジネス・デザインに向けて踏み出すわけである。したがって、同一の市場で展開しているモデルに乗せ、画期的な新製品を開発することで顧客が抱えている問題を解決できる場合もあり得る。
 大企業などが築き上げた販売チャネルをそのまま活用して、新製品を次々に投入するというのはこのケースで、すでに築いているブランド力や流通システムなどが生かせるため、製品開発に集中して経営資源を投入できる。こうしたビジネスのスタイルは決して新しいものではないが、この仕組み自体が戦略的コントロールとして機能していることになる。
 一方、多くの顧客がストレスと感じていることは熟知しているが、それは、単体の製品ではなく、サービスも組み合わせたビジネス・システムとしてのデザインを目指す場合も多い。中小企業やベンチャー型の企業が誕生するのはこのスタイルが多い。キュービーネットや居酒屋チェーンなどがこのスタイルで、強い戦略的コントロールを持続している。
 また、環境変化に対応しようという思で、自然発生的に辿り着いたビジネスモデルもある。例えば、売り上げが減少してきたので、店を閉めしようと考えていたパン屋さんが、ふとしたきっかけで、学校給食への供給を思いつき、人脈を通じてアタックしたところ、これが功を奏し、安定した収益源を確保でき、業務用を収益源とするモデルに転換できた。
 需要が減少してきたので、次々廃業している畳産業で、廃業の意思決定をするのが遅れていただけなのに、いつの間にか希少価値が生じて、捌ききれないほどの受注が舞い込み、廃業した技術者を雇用あるいは下請にして、一躍優良企業に上り詰めた企業もある。こうしてみると、収益モデルを直接探すより、ストレスの存在を確かめるのが先かもしれない。