エイドリアン・スライウォッキーは、著書「プロフィット・ゾーン経営戦略」の中で、ビジネス・デザインの4つの戦略次元について説明している。4つの戦略次元とは、顧客の選択、価値の獲得、戦略的コントロール(差別化)、事業領域であり、ビジネスをデザインする場合に欠かすことのできないフレームを4つの要素により説明しているものである。
1) 顧客の選択とは、企業による顧客集合の選択、すなわち、実質的に価値を増加することのできる顧客を選択して細分化する。新たな顧客や新たなセグメントへ価値が移動すれば、狙うべき顧客も変更される。組織にとって、この変更は痛みを伴うが、対象にする(対象としない)顧客を明らかにするのは、企業にとって最も困難で重要な意思決定である。
2)価値の獲得とは、顧客に向けた価値によって、企業はいかにして報酬を得るかである。従来の企業活動は、製品やサービスの料金によって価値を獲得してきたが、現代においては、ファイナンシング、付随製品、ソリューション(顧客の抱える問題解決)、価値連鎖における川下への参加、ライセンシングなどにより、自社の利益獲得モデルを構築している。
3)戦略的コントロールとは、利益の流れを継続して守る力のことである。それは、「なぜ顧客は当社から購入すべきなのか。なぜ当社から購入しなければならないのか」といった自問に答えられることである。具体的には、自社の価値提案を競争相手と差別化されたUVPがあるか、顧客や競争相手の力に対抗しうる戦略コントロールとは何かなどである。
4)事業領域とは、企業の活動および提供する製品やサービスのことである。つまり、企業の活動領域のことであるが、この領域を明確にすることによって、顧客から見た重要性を維持し、組織内で、どのような活動や機能を遂行するのか、下請契約をする場合でも、どこにアウトソーシングし、誰をビジネス・パートナーにしたいのかが決まってくる。
ここで掲げた4つの戦略次元は、企業が絶えざる革新を続けることを前提にしたもので、常にビジネスを再定義していく場合の重要なポイントである。ビジネスを成功させるためには、これらの次元を顧客が求める優先順位に沿って調整しなければならない。そして、収益性に向けてビジネスをデザインするので、全体の整合性と相互補完性が求められる。
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