プロフィット・ゾーンの見つけ方

 プロフィット・ゾーンとは、企業に高い利益をもたらす経済活動領域のことである(エイドリアン・スライウォッキー著「プロフィット・ゾーン経営戦略」より)。ここでいう経済活動領域とは、業界とほぼ同じ考えても差支えないと思われるが、然らば、その業界の中で企業に高い利益をもたらす経済活動領域を見つけるにはどうすればよいのだろうか。
 同一の市場でマーケティングを展開している企業でも、高収益を上げている企業とそうではない企業が存在することは誰もが知っているが、なぜそのような結果が生じたのかについては、殆ど正確には把握されていない。その証拠に、業績が低迷している企業は、売上の増加によりシェアを拡大することが、高業績に繋がると信じ込んでいることが多い。
 このようなシェア拡大戦略が功を奏したとしても、高い利益をもたらすことは少ない。少ないというのは、低コスト体質を確立して低価格販売に徹したため、シェアの拡大により利益を獲得できたという場合もあり得るからである。この場合は、低価格の商品を強く望んでいる消費者が存在しているためで、そこがプロフィット・ゾーンであるからである。
 しかし、企業に高い利益をもたらす経済活動領域とは、持続的でかつ卓越した収益源という意味でもあり、競合企業がすぐに追いつく可能性のある戦略領域は、一過性のものであり、真のプロフィット・ゾーンとはみなしがたい。何故ならば、そこには同じ顔をした消費者しか存在しないという前提で、単線型の戦略を押し進めることになるからである。
 ただ、ここで誤解してはならないのは、高い利益をもたらす経済活動領域とは、特定地域の市場のような量的広がりや業界の活動範囲を表現しているものではなく、あくまでも、市場や業界のどこにそのゾーンが存在しているかということを問題にしていることである。つまり、自社が提供できる付加価値を高く評価してくれる消費者の存在のことである。
 ということは、マーケティングの原点に立ち返り、「顧客にとっての価値とは何であるか」を探し当てることである。つまり、顧客を中心に考え、まず、市場を大きく捉え、次に自社の経営資源に適合した市場に細分化する。そして、「わが社は、どこで利益を得ることができるか」をリサーチすることで、はじめてプロフィット・ゾーンに辿りつくことになる。