利益を生む仕組み

 ピーター・ドラッカーは、「利益は、企業において目的ではなく、条件である」といっている。企業が社会に受け入れられ、存続し続けられるかどうかは、その企業が儲かっているかどうかではなく、提供する商品やサービスを通じた企業活動がどれだけ社会に貢献したかどうかにかかっている。つまり、社会貢献が企業の目的でなければならない筈である。
 ただし、社会環境が変化することで、消費者や生活者のソリューションも変化するので、企業自体が成長し続けなければ、この変化に対応した貢献もできないことになる。企業の成長を現実的に捉えれば、利益を蓄積することが条件となるため、「企業の条件」という位置づけになるのであろう。すなわち、利益を獲得することは企業存続の必須の条件である。
 いま、何故ビジネスモデルの時代なのかといえば、技術革新の伝播するスピードが加速化し、会社が発展し続けなければ、たちまち奈落の底に突き落とされてしまう。こうした事例は、毎日のように、新聞やテレビの話題になっている。こうした時代背景を考えると、ビジネスモデルの中に収益を生む構造を作らなければ、社会に貢献することはできない。
 企業の経営計画を策定する場合、メインに据えられるのは売上の伸長である。確かに、売上を確保することは利益を生み出す源泉であるから、重要であることは間違いないが、旧来のビジネスモデルを引きずっているだけで、売上を伸ばそうとすれば、必然的に価格競争にならざるを得ない。そのため、更にシェアの争奪戦が過熱することになってしまう。
 すなわち、成熟化した市場において、一定の目標利益を獲得しようとすれば、同質のモデル同士によるコストダウン競争になる。ここでは、相対的市場シェアを伸ばすことが利益率の向上につながるという構造になっているため、規模の経済性にものをいわせ、量産体制を整え、製造コスト引き下げる戦略を選択する。しかしこの戦略は陳腐化しつつある。
 前述のように、こうした戦略が功を奏し発展し続けてきた企業が、次々と利益率が低下している現象を目の当たりにすると、規模の経済性の危うさが見えてくる。例えば、かつては規模の経済性を追求していた流通業が、ロジスティクスやカテゴリー・マネジメントに重点を移し、市場の要請に応えているといった変わり身の早い企業が利益を上げている。