技術革新を導入し、新しい商品が市場に提供されると、その差別的優位性が功を奏し売上が伸びていくが、やがて後発の企業群も同じような製品を導入するため、機能の充実やデザインの変更などにより、他社製品との差別化を強調するが、たちまち、機能は横並びになってしまい、結局は激しい価格競争に突入してシェア争が唯一の戦略となってしまう。
こうした、パターンは、テレビやパソコンだけではなく、あらゆるものに見られる商品現象である。しかも、最近の商品はそのライフサイクルがますます短絡化しているため、同じような商品で、同じようなマーケティングを展開していたのでは、たちまち業績が落ち込むことになる。こうした状況に陥らないために絶えざる革新が求められることになる。
こうした、時に検討されるのが新しい価値軸を創るという考え方である。これは市場細分化戦略に対応するもので、現在の製品に新しい価値を見出すか、あるいは、新しい価値を付加して、消費者に新製品の導入としてアピールする戦略である。例えば、持ち運びに便利な軽量パソコン、歓喜の瞬間を捉えるのに便利な小型カメラ、等々が挙げられる。
学習塾というサービス産業を考えて見ても、多様な価値軸を見つけ出すことができる。従来の価値軸は、「勉強が少し遅れている」「さらに上レベルの学校受験を目指したい」などいうのが定番であったが、「勉強することが好きになる学習」「ゲームに強くなるための学習」「もう一度一から学び直したい人向けの講座」など様々な価値軸が見つけ出される。
もちろん、ビジネスのターゲットとするためには、そのニーズの束が市場として存立しうるがどうかを見極めなければならない。また、あまりにも、市場をセグメントし過ぎて、同じ種類の製品を複数使い分けるのに苦労するようでは行き過ぎである。例えば、カメラに「現場監督」とか「乾杯」などという価値軸を設けたが、あまり実用的ではなかった。
新しい価値軸の設定により成功している商品は、「健康志向」「小型化」「軽量化」「耐久性」「省エネ」「抗菌」などに見られるが、いずれも、後発企業にヒントを与えることになるので、常に新しさを追求しなければならない。ここに登場したのが、ブルー・オーシャン戦略である。これは価値軸の設定をベースとした戦略キャンパスという考え方である。
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